コラム
天下創世に至らしめた石田三成、彼の辣腕は企業経営に何をもたらしたか
悲劇の最後を遂げた忠臣、その評価とは
──太閤の股肱の臣として、その勢威比類なし。
太閤秀吉の忠臣として名高い石田三成ですが、時代の流れには逆らえず、関ヶ原合戦における敗戦により、あえなくその命を散らすに至ります。しかし、その辣腕をもって政権を支えた彼の卓越した実務能力は、同時代を生きた偉人は勿論、現代の経営者からも参謀役の理想像として高く評価されているのもまた事実。400年以上の時を越えてなお敬意を集める彼の姿は、自社成長に尽力する有能なスタッフを連想させるに容易であります。
近年、企業が管理しなければならない領域はさらなる多様化を見せています。経営層による意思決定の材料と成り得る管理会計業務についても、時代の変遷に合わせてより複雑化している昨今、執行者が求められる業務としては「中長期的な経営計画の立案」から「計画進捗状況の確認」など、まさしく経営層の右腕と言って過言ではない役割が与えられているように思います。豊臣政権の立役者ともいえる石田三成においても、豊臣秀吉の右腕として奉行衆の一角を担っていたのです。
領国運営の要となった忠臣、その役割とは
豊臣秀吉の権力拡大にともない台頭した三成。期待された役割としては、急激に拡大してゆく領国管理、また領国運営の業務改善支援であったと言われております。現代で言うに、事業拡大におけるプロジェクト管理や経営コンサルティングといった性格を孕んでいると考えることが出来るのではないでしょうか。
織田信長より統一事業を引き継いだ秀吉ですが、強大な力をもつ競合相手はいまだ健在であり、後に発生するであろう大規模な合戦に備えるためにも、自国領の経営状態を正確に把握することが急務となります。当時の国力を測る指標は「どれだけの兵士を養い、動員することが出来るか」、つまり石高(主に田畑の面積、米の生産量)で表すのが一般的でした。大名の年貢や徴兵といった責務についても、この石高を基に算出されます。しかし、統制がなされていない当時の測量はあくまで各地域の申告制であり、また地域ごとに測量の長さが異なるため収集した情報に正確性はありません。経営の方針決定や事業拡大のための合戦に投入可能な資金、人員の実態が把握出来ないという不健全な経営です。
秀吉の命を受け、石高調査プロジェクト監督役の一人として抜擢された三成は、ここで測量基準の統一によって問題の解決を図ります。測量単位を定めた上で実施された検知は、曖昧であった年貢や兵力といった情報を正確なものとし、大きな負担となっていた測量業務の効率化を実現させたのでした。
より正確で一元化された情報を収集することは、現代においても健全な経営管理に不可欠な要素の一つだと言えます。部門ごとの計画、実績値、また着地見込や予実分析に至るまで、各個人によって左右されることの多い管理会計業務を一つの基準をもって纏め上げてゆく。企業の規模が大きくなるにつれ、途方もない作業とも成り得るこれら業務の重要性を、石田三成の逸話に垣間見ることが出来ます。
天下創世の覇業を支えた忠臣、その手腕とは
ひとえに経営管理と言っても、その内容は企業によって様々。病を得て体調が悪い時には薬を飲ませて寝床へ、健康で活力溢れる時には仕事を与えて現場へ。こんな具合に、企業の状況に合わせた計画を立案し実行に移してゆくというのも経営における重要な要素だと言えます。いわゆる経営コンサルタントが得意とする分野です。群雄割拠であった日本が豊臣の名の下、一つの政権へと収束に向かう中、優秀なコンサルタントとして活躍した一人に石田三成の名も挙げられております。
当時、分割されていた国々はすべて豊臣政権に取込まれるとともに、グループ企業とも言える形で、それぞれの大名が子会社、つまり領国運営を任されていました。自国の経営悪化を招き維持が難しくなった大名には、勿論厳しい処罰が待っています。そこで、地方の財政難解消に石田三成が動きました。
対象となるのは九州の雄、島津氏が治める薩摩国。現代では、鹿児島県と宮崎県南西部の地域を指します。政権に敗れ大幅な領国縮小の憂いにあったために財政逼迫が悩みの種となっていた島津氏、三成は地域特有の農産物である大豆の売買、また薩摩国内の制度改正や中国・琉球との貿易にも介入を行い、経営の健全化をサポートしたとされています。
業務効率化を実現する忠臣、その名は「BizForecast」
石田三成が行ってきたとされる改革は、令和の今日においても経営の根幹と評されています。実に400年以上も前から変わらぬ根幹でありながら、業務内容はより高度化し、人の手で行う事が大きな負担になるほどまでに複雑化しているとも言えるでしょう。
ExcelやAccessといった管理媒体、また管理システムを導入している企業から、
・業務プロセスの統一や整備された情報の収集に苦心している
・どんな管理方針をもってシステム化すればよいのかが分からない
といったお悩みを多く聞いております。
弊社プライマルは、上記のような課題解決のためのソリューションとして、経営管理システム「BizForecast」や導入コンサルティングサービスを展開しており、まさしくお客様の右腕として業務改善のサポートに従事しております。
最後に
いまなお、人の琴線に触れる逸話の多い石田三成。彼の振るった辣腕は、一つの時代を築いたといっても過言ではありません。そして、今この記事を読んでいる貴方が、日々の煩雑な業務に囚われ、自分にも有能な右腕が欲しいと考えておられるならば……。
より良い経営にプライマル、業務改善に「BizForecast」をお頼りください。