コラム
マーケティング予算管理 地に足の着いたマーケティングの実現へ
2020年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、企業・消費者双方の経済活動が大きく制限されました。
様々な要因が複雑に絡み合い、消費の停滞や重要視される価値観に変化が出ている中で、
今回はマーケティングと予算管理という観点から、千変万化の現代において何を考えるべきかについてお話します。
01. 企業の成長に欠かせないマーケティング
企業とは利益を追求する集団であり、お客様の役に立つことは大前提として、つまるところ業務の結果として利益を出さなければなりません。
その最大化のための手段の1つがマーケティングであると考えれば、その重要性をイメージしていただけると思います。
マーケティングによってもたらされる企業の成長を「規模」と「質」の2軸に分けてみていきましょう。
成長と聞いて一般的にイメージされるのは規模の面の成長でしょう。
規模の面が指すのは売上・利益といった財務面の向上が挙げられます。こちらは分かり易く数字がものをいいます。
「売上アップのための広告を打とう」というのは規模の成長を期待した取り組みの典型です。
では質の面での成長はどうでしょうか?
質とは、その会社や製品の持つイメージやブランド力であり、それを支える顧客とのつながりや高品質なサービスをどの程度提供できているかを指します。
つまり、市場/顧客のニーズを正しく理解し、製品/サービスを望まれる形で展開できているのかが重要となってきます。
こちらの成長の度合いを表す明確な指標は定まっていませんが、マーケティングというものはまさにこの「質」を向上させることにもつながっています。
多くの大企業が巨額をはたいて商品名が一切出てこないCMを放映し、製品購入者限定のサロンやセミナーで情報発信をするのは、
もちろん追加購買を期待した側面もありますが、メインの目的といえば企業ブランドイメージの確立と維持というところになり、
まさに「質」の成長を期待したものであるといえます。
02. 外部環境の変化による手段の多様化、マーケティングコスト予算の難しさ
では「規模」と「質」の成長を目的とするのであれば、どのようなマーケティング手法が適切と考えられるでしょうか。
広告や宣伝と言っても手段は多岐にわたり、目的によって最適解は変わってきます。
新規顧客の獲得数増加をKGIとして、商談数増加をKPIとしたとき、その達成のためリード獲得を目的とした広告を考えます。
この広告はどんな媒体で実施するべきか、どのくらいの期間実施するのか、いつどのようなタイミングでどんなターゲットにリーチさせたいか、
広告自体の効果測定はどのように行うのか…と考えることは多いです。
企業イメージの向上やブランド認知の浸透をKPIとしたとき、一体どんなアクションを取るべきでしょうか。議論の尽きないテーマです。
しかし、何を行うにも全てに共通しているのは「予算は有限、何でもやれるわけではない」ということです。
「ビジョンはある、施策案もある、実現方法にもめどが立った。だが予算が下りないのではどうしようもない。」
というのはマーケティング領域に限らずよく耳にする話です。
確かに、現場サイドの考えと管理側では目線が違うので仕方がないのかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
予算が足りないのではなく、考察が足りない可能性があるのではないでしょうか?あれこれ考えてみたところで、低予算でできることには限りがあるのも事実であり、そうなってくるとなぜ予算が取れないかを考えなくてはなりません。
もちろん、経営はマーケティングだけでは成り立たないので、他の取り組みとの費用バランスを考えることは重要です。
しかし、そもそも成長のための取り組みであるはずのマーケティングに力を入れなければ事業は成長せず、
結果費用も捻出できずという負のスパイラルに陥ってしまいます。
ゆえに成長施策の中でもマーケティング戦略の立案は、「彼方を立てれば此方が立たず」というジレンマと常に戦う必要があると言えます。
03. 効果的な施策の実行のために
では、費用的にも実現可能且つ効果の望める施策、「地に足の着いたマーケティング」の実現のためには何が必要なのでしょうか。
施策の目的と効果測定方法を明確にすること、過去の取り組みをきちんと見直すことなどは前提として、
考えるべきは「リーズナブルでコストパフォーマンスがいい施策」ということになります。
つまり、このマーケティング戦略にかける予算はどれくらいが適切か、それだけのお金を支払って見返りはどれくらい期待できそうかを予測することが大切です。
ただし、ここで考えるものにはマーケティング予算以外の部分も含んでいることを忘れてはなりません。
まず会社としての業績はどうなっていて、利益はどれくらい出ていて、費用や損失の内訳をきちんと把握して、
部門別/事業別の業績予想はどうか、そこから導かれる適切なマーケティング予算の額は…という具合に、
従業員一人一人がマクロ的に自社の歩みを把握して初めて地に足の着いたマーケティングの実現につながります。
安定した利益基盤のある企業なら短期的な効果を求めた小粒の戦略を多数出すよりは中長期で基盤をより盤石に、
堅牢にするような大掛かりな取り組みが望ましいかもしれません。
またその逆で新規事業が多く立ち上がりマーケティングと営業活動が密接になっている企業であれば、
より短期・安価な取り組みを繰り返すことで自社に合ったマーケティングスタイルの確立を目指しても良いかもしれません。
自社の収益(実績)を分析し、目指すべき姿(予算)とのギャップを理解して初めて、適切な戦略立案が可能となります。
成長の土台となる自社の体力を如何に適切な業績予測と分析で把握しているかどうかという点が、
マーケティング戦略の成功、その先の自社の成長へのカギとなるでしょう。
打ち手を磨き、更に鋭いものにするために、まずは自社の業績管理を最適化されてはいかがでしょうか。
04. 業績管理を最適化するツール
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