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    <title>プライマル(PRIMAL)｜プライマル株式会社</title>
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    <updated>2010-08-10T01:29:27Z</updated>
    <subtitle>プライマルは、会計・ＩＴにまたがる専門知識と技術・経験を活かし、連結決算ソフトの開発・販売の他、広く会計分野(IFRS対応、XBRL関連の技術)のＳＩ業務・コンサルティングサービスを提供します</subtitle>
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    <title>第３回【IT技術系コラム】オブジェクト指向設計原則－(2)パッケージ凝縮度に関する原則</title>
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    <published>2010-08-10T00:15:44Z</published>
    <updated>2010-08-10T01:29:27Z</updated>

    <summary>						オブジェクト指向設計原則－(2)パッケージ凝縮度に関する原則 			...</summary>
    <author>
        <name>森貞 裕文</name>
        
    </author>
    
        <category term="IT(技術)系" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[						<h3 class="midashi01">オブジェクト指向設計原則－(2)パッケージ凝縮度に関する原則</h3>
						<p>今回は、パッケージ凝集度（どのような考え方に基づいてパッケージ（クラスの集合）を整理し、まとめるべきか）について取り上げたいと思います。</p>]]>
        <![CDATA[					<p>
						前回同様、Robert C. Martin氏が設立したObject Mentor社(<a href="http://www.objectmentor.com/">http://www.objectmentor.com/</a>)において、これらのアイデアの原文が公開されていますので、ご興味のある方はご一読ください。
						（<a href="http://www.objectmentor.com/resources/publishedArticles.html">Resources→Published
							Articlesページ</a>）<br />
						また、書籍（翻訳和書）として下記が出版されており、まとめられています。
						<ul class="listA01">
							<li><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%AE%E5%A5%A5%E7%BE%A9-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3/dp/4797323361/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1278745987&sr=1-3">
								「アジャイルソフトウェア開発の奥義 (単行本) Robert C. Martin (著), 瀬谷 啓介 (翻訳) 」 </a></li>
							<li><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%AE%E5%A5%A5%E7%BE%A9-%E7%AC%AC2%E7%89%88-%E3%82%AA%E3%83%96%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%8C%87%E5%90%91%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%AE%E7%A5%9E%E9%AB%84%E3%81%A8%E5%8C%A0%E3%81%AE%E6%8A%80-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3/dp/4797347783/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1278745987&sr=1-2">
								「アジャイルソフトウェア開発の奥義 第2版 オブジェクト指向開発の神髄と匠の技 (大型本) Robert C. Martin (著), 瀬谷 啓介 (翻訳)」
							</a></li>
						</ul>
					</p>
					<p>
						今回はこのうち、「パッケージ凝縮度に関する原則」を取り上げます。
						<ol class="listC01">
							<li>５つのクラス設計に関する原則（略）</li>
							<li>３つのパッケージ凝縮度に関する原則
								<ol class="listB01">
									<li>再利用・リリース等価の原則(REP:The Reuse/Release Equivalence Principle)</li>
									<li>閉鎖性共通の原則(CCP:The Common Closure Principle)</li>
									<li>全再利用の原則(CRP:The Common Reuse Principle)</li>
								</ol>
							</li>
							<li>３つのパッケージ結合度に関する原則（略）</li>
						</ol>
					</p>
					<p>
						<!-- ▼REP▼ -->
						<h5 class="midashi03">2.a 再利用・リリース等価の原則(REP)</h5>
						<div class="columnA01 columnA02">
							<span class="italic">THE GRANULE OF REUSE IS THE GRANULE OF RELEASE. ONLY COMPONENTS THAT ARE RELEASED THROUGH A TRACKING SYSTEM CAN BE EFFECTIVELY REUSED. THIS GRANULE IS THE PACKAGE.</span>
							<br/>
							<span class="italic">再利用の単位はリリースの単位である。トラッキングシステムからリリースされたコンポーネントだけが有効に再利用可能である。この（再利用可能な）単位がパッケージである。</span>
						</div>
						<ul class="listA01">
							<li>設計の分割、パッケージ化のための指針</li>
							<li>パッケージの内部は、再利用する人達の視点に立ち構造化されるべきだとしています。</li>
							<li>そして、再利用の単位（パッケージ）がリリースの単位よりも小さくなることはないとしています。</li>
							<li>つまり、「（ソフトウェアが）リリースされる」ということは、単に開発者がクラスを製作・存在を主張するだけでは不十分であり、トラッキングシステム（CVS,Subversion等のソースコード管理・変更追尾システム）が整備され、ユーザーが潜在的に必要とするサポート等が満たされた状態でなければならない、ということです。</li>
							<li>後述の閉鎖性共通の原則(CCP),全再利用の原則(CRP)に従って凝集度を決定すべきですが、この際に「再利用の容易性」と「開発の容易性」のバランスを考慮して決定すべきと考えられます。（しかし、筆者自身の経験則からしても、このバランスは安定的なものではなく、非常に不安定・流動的なものであると考えられます。周辺環境の変化に応じて、適切なタイミングで整理が必要なのではないでしょうか。話がそれますが、会計基準についても、同種の整理・統廃合が随時行われています。）</li>
						</ul>
						<!-- ▲REP▲ -->
						<!-- ▼CCP▼ -->
						<h5 class="midashi03">2.b 閉鎖性共通の原則(CCP)</h5>
						<div class="columnA01 columnA02">
							<span class="italic">THE CLASSES IN A PACKAGE SHOULD BE CLOSED TOGETHER AGAINST THE SAME KINDS OF CHANGES. A CHANGE THAT AFFECTS A PACKAGE AFFECTS ALL THE CLASSES IN THAT PACKAGE.</span>
							<br/>
							<span class="italic">パッケージに含まれるクラスは同種の変更に対して閉じているべきである。パッケージに影響する変更はパッケージ内の全てのクラスに影響を及ぼす。</span>
						</div>
						<ul class="listA01">
							<li>再利用・リリース等価の原則(REP)を具体的に維持するための原則といえます。</li>
							<li>前回の「単一責任の原則(SRP)」のパッケージ版といえます。パッケージもまた変更の理由を複数持ってはなりません。</li>
							<li>物理的・概念的に結合度が強く、常に同一タイミングでの変更を必要とするようなクラス群は、同一のパッケージにまとめることが重要です。</li>
						</ul>
						<!-- ▲CCP▲ -->
						<!-- ▼CRP▼ -->
						<h5 class="midashi03">2.c 全再利用の原則(CRP)</h5>
						<div class="columnA01 columnA02">
							<span class="italic">THE CLASSES IN A PACKAGE ARE REUSED TOGETHER. IF YOU REUSE ONE OF THE CLASSES IN A PACKAGE, YOU REUSE THEM ALL.</span>
							<br/>
							<span class="italic">パッケージに含まれるクラスは、すべて一緒に再利用される。パッケージに含まれるいずれかのクラスを再利用するということは、その他のクラスすべても再利用することを意味する。</span>
						</div>
						<ul class="listA01">
							<li>再利用・リリース等価の原則(REP)を具体的に維持するための原則といえます。</li>
							<li>一緒に使われる可能性の高い（近接度の高い）クラスは同じパッケージに所属させるようにします。</li>
							<li>逆の視点でもありますが、CRPは、互いに強い関連性を持たない（一緒に使われる可能性が低い、近接度が低い）クラスを同じパッケージに所属させるべきではないことも示唆しています。つまり、この視点によって、パッケージの純度が保たれ、リリースされたパッケージがユーザーによって合理的に再利用できることになります。</li>
							<li>イテレータとコンテナの関連性が例示されています。これらは常に一緒に再利用される、関連性の強いクラス群なので、同一のパッケージに含めるべきです。</li>
						</ul>
						<!-- ▲CRP▲ -->
						<hr />
						<p>
							今回は、３つの「パッケージ凝集度に関する原則」を取り上げました。
							<br />
							次回は、「パッケージ結合度に関する原則」について取り上げたいと思います。
						</p>
						<p>
							&nbsp;</p>
						<p>
							&nbsp;</p>
						<p class="alignR">
							取締役副社長 CTO 公認会計士 森貞裕文</p>]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>第２回【IT技術系コラム】オブジェクト指向設計原則－(1)クラス設計に関する原則</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2010/07/12-000084.html" />
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    <published>2010-07-12T00:30:00Z</published>
    <updated>2010-07-12T00:34:41Z</updated>

    <summary>	 						オブジェクト指向設計原則－(1)クラス設計に関する原則 				...</summary>
    <author>
        <name>森貞 裕文</name>
        
    </author>
    
        <category term="IT(技術)系" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[	<h3 class="midashi01">
						オブジェクト指向設計原則－(1)クラス設計に関する原則</h3>
					<p>
						前回はオブジェクト指向言語の３つの特徴について述べさせていただきました。<br />
						<ul class="listA01">
							<li>カプセル化(Encapsulation)</li>
							<li>継承(Inheritance)</li>
							<li>多態性(Polymorphism)</li>
						</ul>
						上記の特徴は一般的なオブジェクト指向言語の初学書においても触れられていることが多いのでご存じの方も多かったかもしれません。 そこで、今回以降３回にわたってもう一歩踏み込み、「オブジェクト指向設計原則」について触れさせていただきます。
						今回はこのうち、「クラス設計に関する原則」を取り上げます。
					</p>]]>
        <![CDATA[					<h4 class="midashi02">
						11のオブジェクト指向設計原則</h4>
					<p>
						オブジェクト指向設計原則は、オブジェクト指向言語を用いた設計・開発を行う際に有用となる概念原則集であり、 Robert C. Martin氏、Bertrand
						Meyer氏、Barbara Liskov氏等を中心とする様々なコンピュータ・サイエンティストによって考え出されたアイデアを、 Robert C. Martin氏が取りまとめたものとされています。
					</p>
					<p>
						Robert C. Martin氏が設立したObject Mentor社(<a href="http://www.objectmentor.com/">http://www.objectmentor.com/</a>)において、これらのアイデアの原文が公開されていますので、ご興味のある方はご一読ください。
						（<a href="http://www.objectmentor.com/resources/publishedArticles.html">Resources→Published
							Articlesページ</a>）<br />
						また、書籍（翻訳和書）として下記が出版されており、まとめられています。
						<ul class="listA01">
							<li><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%AE%E5%A5%A5%E7%BE%A9-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3/dp/4797323361/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1278745987&sr=1-3">
								「アジャイルソフトウェア開発の奥義 (単行本) Robert C. Martin (著), 瀬谷 啓介 (翻訳) 」 </a></li>
							<li><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%AE%E5%A5%A5%E7%BE%A9-%E7%AC%AC2%E7%89%88-%E3%82%AA%E3%83%96%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%8C%87%E5%90%91%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%AE%E7%A5%9E%E9%AB%84%E3%81%A8%E5%8C%A0%E3%81%AE%E6%8A%80-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3/dp/4797347783/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1278745987&sr=1-2">
								「アジャイルソフトウェア開発の奥義 第2版 オブジェクト指向開発の神髄と匠の技 (大型本) Robert C. Martin (著), 瀬谷 啓介 (翻訳)」
							</a></li>
						</ul>
					</p>
					<p>
						このオブジェクト指向設計原則では、クラス設計に関する原則、パッケージ凝集度に関する原則、パッケージ結合度に関する原則の３種類に分類・整理しています。
					</p>
					<ol class="listC01">
						<li>５つのクラス設計に関する原則
							<ol class="listB01">
								<li>単一責任の原則(SRP:The Single Responsibility Principle)</li>
								<li>オープン・クローズドの原則(OCP:The Open Closed Principle)</li>
								<li>リスコフの置換原則(LSP:The Liskov Substitution Principle)</li>
								<li>依存関係逆転の原則(DIP:The Dependency Inversion Principle)</li>
								<li>インタフェース分離の原則(ISP:The Interface Segregation Principle)</li>
							</ol>
						</li>
						<li>３つのパッケージ凝縮度に関する原則
							<ol class="listB01">
								<li>再利用・リリース等価の原則(REP:The Reuse/Release Equivalence Principle)</li>
								<li>閉鎖性共通の原則(CCP:The Common Closure Principle)</li>
								<li>全再利用の原則(CRP:The Common Reuse Principle)</li>
							</ol>
						</li>
						<li>３つのパッケージ結合度に関する原則
							<ol class="listB01">
								<li>非循環依存関係の原則(ADP: The Acyclic Dependencies Principle)</li>
								<li>安定依存の原則(SDP: The Stable Dependencies Principle)</li>
								<li>安定度・抽象度等価の原則(SAP: The Stable Abstractions Principle)</li>
							</ol>
						</li>
					</ol>
					<p>
						今回はこのうち、「クラス設計に関する原則」を取り上げます。
					</p>
					<!-- ▼SRP▼ -->
					<h5 class="midashi03">
						1.a 単一責任の原則(SRP)</h5>
					<div class="columnA01 columnA02">
						<span class="italic">THERE SHOULD NEVER BE MORE THAN ONE REASON FOR A CLASS TO CHANGE.</span>
						<br />
						<span class="italic">クラスを変更する理由が複数存在してはならない。</span>
					</div>
					<p>
						オブジェクト指向におけるオブジェクトの雛型となるクラスは、データと処理の集合としてカプセル化されています。 ここで、この「単一責任の原則」が守られていないクラスは、経験的に非常に脆弱で、再利用しづらいクラスであるといえるでしょう。
						不幸なことに我々は、役割（メソッドと読み替えてもよいかもしれません）が何でもかんでもつめこまれたクラスというのを、一度は見たことがあるのではないでしょうか？ 万が一発見したならば、速やかにクラスが単一の理由によってのみ変更されるように（つまり、単一の役割、責任を持つように）単純化整理（リファクタリング）するのが賢明です。
						放置すると後にいわゆる「スパゲッティ状態」となり、非常に保守性の低いシステムとなってしまいます。
					</p>
					<ul class="listA01">
						<li>役割（責任）＝変更理由</li>
						<li>クラスと複数の役割が結合している場合、分離する。</li>
						<li>悪例：ビジネスルールと永続性システム(DB等)の結合</li>
						<li>（注：コラム筆者は、クラスの構成要素である、メソッドについても同様のルールが言えるのではないか？とも感じております。）</li>
					</ul>
					<!-- ▲SRP▲ -->
					<!-- ▼OCP▼ -->
					<h5 class="midashi03">
						1.b オープン・クローズドの原則(OCP)</h5>
					<div class="columnA01 columnA02">
						<span class="italic">SOFTWARE ENTITIES (CLASSES, MODULES, FUNCTIONS, ETC.) SHOULD
							BE OPEN FOR EXTENSION, BUT CLOSED FOR MODIFICATION.</span>
						<br />
						<span class="italic">ソフトウェアの構成要素（クラス、モジュール、関数など）は拡張に対して開いて（オープン）いるが、修正に対しては閉じて（クローズド）いなければならない。</span>
					</div>
					<p>
						「閉鎖開放原則」と呼ばれることもあります。「拡張」に対して開いていて、「変更」に対しては閉じているという状態は、どのような状態でしょうか？ 例えばユーザーから機能拡張リクエストがあった場合、当該機能を担当しているクラス、ソースコードを直接して再ビルドしなければならないようなケースでは、変更（機能拡張）に対して閉じていない、OCPに反していることになります。
						高度にモジュール化されたシステムでは、この原則が守られてシステム設計されています。例えば、プラグインという言葉を耳にされた方も多いと思います。 機能拡張要求に対して、例えばブラウザ等のソースコードの変更（＝再インストール）を必要とせず、プラグインだけを追加すれば機能拡張が実現できるのだとすると、拡張性が維持されていて（開いていて）、ブラウザそのものの修正を拒否出来ている（閉じている）と言えます。
					</p>
					<ul class="listA01">
						<li>一般的に、「抽象」＋「多態性」を巧みに利用し実現されます。</li>
						<li>「抽象クラスはそれを実際に実装するクラスとの関係よりも、それを利用するクラスとの関係の方がより密接」であるため、利用側の視点に立った設計が行われるべきです。</li>
						<li>TemplateMethodパターン（後日紹介予定）では、多態性を巧みに利用しOCPを実現しています。</li>
						<li>「先を見越した構造」と「自然な構造」について
							<ul class="listB01">
								<li>すべてのケースに適用できる「自然なモデル」など存在しない、という達観も必要です。</li>
								<li>よって、あらゆる変更に対して完璧に閉じることが不可能です。従って、戦略的に閉じるしかありません。（設計者がどの種の変更に対して自分の設計を閉じたいのかを選択する必要性）</li>
								<li>適度な抽象化を、経験・常識に基づいて予測して変更が起きるのを待つしかない！</li>
								<li>「仕掛け」を仕込む。最初の弾丸は甘んじて食らっても、同種の弾丸は二度食らわない。（注：経験的に、コラム筆者が好む手法・態度です。想定の範囲内となるような「仕込み」を入れておく、ソフトウェア開発者の機知が光るところではないでしょうか。）</li>
								<li>具体的な対応策・手法として：テストファースト・短サイクル開発・優先度の決定・早期頻繁なリリース等。</li>
								<li>早まった抽象をしないことも抽象を使うのと同等に重要なこと。。（注：禅問答のようですが、コラム筆者の経験的にも、抽象化の適切な度合いは非常に難しい問題だと思います。）</li>
							</ul>
						</li>
					</ul>
					<!-- ▲OCP▲ -->
					<!-- ▼LSP▼ -->
					<h5 class="midashi03">
						1.c リスコフの置換原則(LSP)</h5>
					<div class="columnA01 columnA02">
						<span class="italic">FUNCTIONS THAT USE POINTERS OR REFERENCES TO BASE CLASSES MUST
							BE ABLE TO USE OBJECTS OF DERIVED CLASSES WITHOUT KNOWING IT.</span>
						<br />
						<span class="italic">基本型に対するポインタ・参照を使用する関数は、派生型に関する知識がない状態でも当該派生型オブジェクトを使用できなければならない。（派生型はその基本型と置換可能でなければならない。）</span>
					</div>
					<p>
						オブジェクト指向を学習された経験がある方であれば、「IS-A関係」というものを耳にされた機会があると思います。「派生型 IS-A 基本型」、例えば「猫 IS-A
						哺乳類」というような関係です。 これはオブジェクト指向における「継承」を考える際に非常に重要な指針となりますが、必ずしもこの例が万能であるとは限らないことをLSPは示唆しており、非常に興味深い原則の１つです。
						普段何気なくオブジェクト指向言語に触れられている開発者の方がもしいらっしゃれば、目からウロコの原則かもしれません。原書ないし訳書のご一読をお勧めします。
					</p>
					<ul class="listA01">
						<li>LSPに違反すれば必然的にOCPにも違反してしまいます。</li>
						<li>IS-A関係が必ずしもLSPを満たすとは限りません。</li>
						<li>「正当性」と「本来的な性質」は別物。モデルの正当性は立場（設計者、利用者）によって異なる。</li>
						<li>「正方形」 IS-A 「長方形」でしょうか？立場によって答えが異なる、というのがLSPが示唆する本質です。これは「振る舞い」が異なるからであり、LSPに準ずるためには、IS-A関係＋合理的に仮定した振る舞いの同等性を考慮しなくてはならない、としています。</li>
						<li>「契約による設計(DbC:Design by Contract)」のテクニック：事前条件、事後条件、派生型の事前条件は基本型のそれよりも弱く、事後条件は基本型のそれよりも強くなければならない。（つまり、基本クラスのユーザーがその派生クラスの処理結果に混乱するようなことがあってはならない、ということ。）</li>
						<li>OCPが有効な時、アプリケーションはより扱いやすく、再利用可能で頑強なものとなる。LSP、DbCはOCPを有効にするための主要な役割を果たすものの１つ。</li>
						<li>派生型とは何か？→基本型と完全に「置換出来る」ということ。IS-A関係は実際のところ範囲が広すぎる。「置換出来る」内容については、明示的・非明示的な契約によって定義され、基本型の契約内容は徹底的に理解されなくてはならない、とまとめられています。</li>
					</ul>
					<!-- ▲LSP▲ -->
					<!-- ▼DIP▼ -->
					<h5 class="midashi03">
						1.d 依存関係逆転の原則(DIP)</h5>
					<div class="columnA01 columnA02">
						<ul class="listA01 italic">
							<li>HIGH LEVEL MODULES SHOULD NOT DEPEND UPON LOW LEVEL MODULES. BOTH SHOULD DEPEND
								UPON ABSTRACTIONS.</li>
							<li>ABSTRACTIONS SHOULD NOT DEPEND UPON DETAILS. DETAILS SHOULD DEPEND UPON ABSTRACTIONS.</li>
						</ul>
						<ul class="listA01 italic">
							<li>上層モジュールは下層モジュールに依存してはならない。両者は抽象に依存すべきである</li>
							<li>抽象が詳細に依存してはならない。詳細が抽象に依存すべきである。</li>
						</ul>
					</div>
					<p>
						これも非常に興味深い、堅牢なクラス設計を実現するための重要な原則です。 一般的に何かプログラムを作成する場合、まずは機能を実現するための部品（モジュール）を製作し、これをより上位レベルのプログラム（例えばユーザーインタフェースを含むプログラム）から利用する、という構成をとることが多いでしょう。
						DIPでは、このような一般的な構造に対して警鐘を鳴らしています。「所有権の逆転」という発想が、非常に重要です。 例えば、C#等ではイベントハンドラという仕組みがありますが、クラスの依存関係とイベントの通知関係が逆転していることがお分かり頂けると思います。（イベントが発生する部品は全体的なユーザーインタフェースによって所有されていますが、イベントの通知の方向は、各部品から全体に対して行われます。）
						これも、普段何気なくオブジェクト指向言語に触れられている開発者の方がもしいらっしゃれば、目からウロコの原則かもしれません。原書ないし訳書のご一読をお勧めします。
					</p>
					<ul class="listA01">
						<li>従来の構造化プログラミングでは、上位モジュールが下位モジュールに依存したり、（全体的な）抽象が詳細に依存したりしていました。また、そういった階層構造を作るのが従来手法の目的であったとも言えます。（トップダウン型）</li>
						<li>DIP→この関係を逆転する。「所有権の逆転」：必要な時にこちらから連絡する。柔軟性・耐久性・移植可能性を実現。</li>
						<li>具体的なクラスに依存することの弊害を理解する必要があります。クラスが頻繁に変更されなければ問題ありませんが、自ら作成するクラスはたいてい頻繁に変更されます。</li>
					</ul>
					<!-- ▲DIP▲ -->
					<!-- ▼ISP▼ -->
					<h5 class="midashi03">
						1.e インタフェース分離の原則(ISP)</h5>
					<div class="columnA01 columnA02">
						<span class="italic">CLIENTS SHOULD NOT BE FORCED TO DEPEND UPON INTERFACES THAT THEY
							DO NOT USE.</span>
						<br />
						<span class="italic">クライアントに、利用しないインタフェースへの依存を強制してはならない。</span>
					</div>
					<p>
						C#のみならず、近年のオブジェクト指向言語では「インタフェース」という機構によって、当該クラスが備えているべき機能のみを定義一覧することが出来ます。 これらが適切に整理細分化されていることで、クラス・インタフェースの利用者にとって使いやすいものになるわけですが、逆に「太った」インタフェース、つまり、余計な定義を含むインタフェースは非常に見通しが悪く使いづらくて、再利用を阻害することになります。
					</p>
					<ul class="listA01">
						<li>「太った」インタフェースをシェイプアップすることが重要です。</li>
					</ul>
					<!-- ▲ISP▲ -->
					<hr />
					<p>
						今回は、オブジェクト指向設計原則の初回として、５つの「クラス設計の原則」を取り上げました。
						<br />
						次回以降、「パッケージ凝集度に関する原則」、「パッケージ結合度に関する原則」について取り上げたいと思います。
					</p>
					<p>
						&nbsp;</p>
					<p>
						&nbsp;</p>
					<p class="alignR">
						取締役副社長 CTO 公認会計士 森貞裕文</p>]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>第１回【IT技術系コラム】オブジェクト指向設計－オブジェクト指向言語の特徴</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2010/06/01-000083.html" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/column//4.83</id>

    <published>2010-06-01T00:00:00Z</published>
    <updated>2010-07-10T15:29:37Z</updated>

    <summary>オブジェクト指向設計―はじめに― オブジェクト指向、今さらながらのテーマですが、...</summary>
    <author>
        <name>森貞 裕文</name>
        
    </author>
    
        <category term="IT(技術)系" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[<h3 class="midashi01">オブジェクト指向設計―はじめに―</h3>
<p>オブジェクト指向、今さらながらのテーマですが、改めて再考してみたいと思います。</p>
<p>弊社はシステムベンダーでありますので、よりよいシステムをお客様にご提供できるよう日々研鑽を重ねています。</p>
<p>弊社は主にMicrosoft様の.NET Framework環境においてC#言語を中心としたシステム開発を行っておりますが、拡張性に富んだ柔軟性の高いシステムを製作するには、業務・技術の背景、基礎となる考え方をしっかりと習得したうえで臨まなければならないと考えております。</p>
<p>そして、システム開発技術の基礎・背景という観点からは「オブジェクト指向の考え方・設計原則」は避けて通れない、開発者全員が共通言語として理解している必要のある領域だと考えており、社内の新入社員研修等でも過去何度となく取り上げているテーマであります。</p>
<p>技術系コラムを開始するにあたり、まずは基本に立ち返り、これら「オブジェクト指向」をテーマとして数回に分けて掲載してゆきたいと考えます。初学者の方等の理解の一助になれば幸いです。</p>]]>
        <![CDATA[						<h4 class="midashi02">オブジェクト指向言語の３つの特徴</h4>
						<p>現在のシステム開発現場ないしプログラミング環境において、オブジェクト指向言語は広く一般的に利用されていると思います。本コラムでは特に歴史をひも解くことは行いませんが、ざっと流行を振り返ってみると、古くは1970年代のSmalltalk、1980年代のC++、1990年代のJava,Ruby、2000年代のC#と、それぞれがオブジェクト指向型言語としての性能を備え、広く利用されていることはご存じの通りかと思います。</p>
						<p>それでは、これらオブジェクト指向言語が兼ね備えるべき性能（特徴）とは何でしょうか？一般的に以下の３つがあげられており、簡単に整理したいと思います。</p>
						<ol class="listC01">
							<li>
								<strong>カプセル化(Encapsulation)</strong>
							</li>
							<li>
								<strong>継承(Inheritance)</strong>
							</li>
							<li>
								<strong>多態性(Polymorphism)</strong>
							</li>
						</ol>
						<!-- ▼カプセル化▼ -->
						<h5 class="midashi03">1.カプセル化(Encapsulation)</h5>
						<p>
							<p>一言では、<strong>「データ（変数）と処理（関数）をひとまとめにする」</strong>特性が「カプセル化」といえます。</p>
							<p>従前の手続型プログラミング言語では、例えばグローバル変数（データ）というものを１箇所に定義しておき、処理（関数）によってこのグローバル変数を書き換える、というプログラミングが延々と行われていました。<br/>
単純なプログラムにおいては問題ないかもしれませんが、プログラムが大規模・複雑化していくと、変数を書き換える処理が散在し、非常に見通しが悪く、メンテナンス性が低くなってしまいます。</p>
							<p>状態を示すデータ（変数）と、それに影響を与える処理（関数）の論理的な距離（意味、思考過程上の距離）・物理的な距離（データと処理の間の単純なコード行数の距離）が離れてしまうことによる混乱といえるでしょう。</p>
							<p>ここではクラス（型、タイプ）とオブジェクト（実体、インスタンス）の説明は省きますが、オブジェクト指向言語においてはクラスによって「データと処理がひとまとめに定義」されていることはご理解いただけると思います。また通常、データにはクラスで定義された処理（メソッドやプロパティと呼ばれることもあります）からしか読み出し・変更出来ないように設計されます（オブジェクトはこれらの呼び出し、つまり<strong>「メッセージ」</strong>によって自己の責任範囲内で動作します）ので、このクラスの存在によって、<strong>データと処理の論理的・物理的な意味が近接した「カプセル化」</strong>が行われることになります。先ほどのグローバル変数のように、どこから変更されているのか分からない、という状況とは大きく異なります。</p>
						</p>
						<!-- ▲カプセル化▲ -->
						<!-- ▼継承▼ -->
						<h5 class="midashi03">2.継承(Inheritance)</h5>
						<p>一言では、<strong>「差分プログラミングを実現する」</strong>特性が「継承」といえます。</p>
						<p>クラスBはクラスAから「継承」して定義された場合、クラスBはクラスAの性質（カプセル化されたデータ及び処理）を引き継ぎます。一般的にクラスAは基底クラス、クラスBは派生（拡張）クラスと呼ばれます。</p>
						<p>よくあるプログラミングの悲劇として、<strong>「コピー＆ペーストプログラム」</strong>があります。（同じ処理を再利用したいので、誘惑に負けてプログラム・ソースコードをそのまま切り貼りしてしまう。。。）<br/>
自明ですが、誘惑に負けたこのプログラマは、後に処理の仕様変更が生じた際、切り貼りした全ての処理を注意深く修正しなければならない羽目に陥ります。</p>
						<p>「継承」は、この悲劇を回避するための１つの特性と言えます。</p>
						<p>クラスの階層構造において、基底クラスで処理を定義することで、派生クラスでそれを自然に再利用できます。<br/>
また通常、派生クラスは基底クラスの性質を引き継ぎながら、追加の特性（振る舞い）を持つことになります。<br/>
「継承」機構によって、基底クラスの特性を引き継ぎつつ、派生クラスにおいて必要になったデータ及び処理を追加定義するという差分プログラミングが実現できます。</p>
						<p>一方で、「継承」には以下のようなトピックもあり、単純なようで奥が深いテーマではあります。</p>
						<ul class="listA01">
							<li>「差分プログラミング」は結果であって、「差分プログラミングを実現するために継承を使用するべきではない」という意見・経験則。（「派生クラスB <strong>"IS-A"</strong> 基底クラスA」の関係ではない場合に継承を使用すべきではない。こういった場合、オブジェクト・コンポジションやユーティリティクラスを使用する等のテクニックがありますが、これは別の機会に触れたいと思います。）</li>
							<li>さらに、IS-A関係であればすべからく継承を利用すべきかというとそうとも言えないことを、後のオブジェクト指向設計原則(LSP:リスコフの置換原則)にて説明したいと思います。</li>
						</ul>
						<!-- ▲継承▲ -->
						<!-- ▼多態性▼ -->
						<h5 class="midashi03">3.多態性(Polymorphism)</h5>
						<p>一言では。。。なかなか表現しづらいですが、<strong>「同一の命令に対して異なる振る舞いを実現する」</strong>特性が「多態性」といえます。</p>
						<p>Polymorphism=poly(多くの。ポリエステルやポリマー等の「ポリ」。)+morphe(形態)による造語のようです。</p>
						<p>例えば、私が「電気機器」オブジェクトを所有していて、朝のルーチンワークとしてオブジェクトの「スイッチを入れる」という行為を日課としているとしましょう。</p>
						<ul class="listA01">
							<li>オブジェクトが「テレビ」であれば、めざましテレビを見ることが出来ます。</li>
							<li>オブジェクトが「パソコン」であれば、OSが起動してメールチェックが出来るでしょう。</li>
							<li>オブジェクトが「電動歯ブラシ」であれば、歯を磨くことが出来ます。</li>
						</ul>
						<p>テレビ、パソコン、電動歯ブラシともに「電気機器」から派生するクラスの実体（オブジェクト）ですが、<strong>同一の「スイッチを入れる」という命令に対して、異なる振る舞い</strong>をします。</p>
						<p>「継承」とも関連しますが、通常このような仕組みは、「電気機器」基底クラスにおいて仮想的な「スイッチを入れる(TurnOn)」という<strong>命令の存在のみが定義</strong>されていて、各派生クラスにおいて<strong>具体的な振る舞い（画面が映る、OSが起動する、振動を開始する）が定義</strong>されることで実現することができます。このような異なる振る舞いの実現を「多態性」と呼んでいます。</p>
						<p>また、本例のような「朝起きてすること＝アルゴリズムの骨格」を定めておき、その具体的な実装を派生クラスに任せる設計手法は、<strong>"Template Method"</strong>デザインパターンと呼ばれています。</p>
						<p>デザインパターンはオブジェクト指向設計における偉大な先人（Gang of Four(GoF):Erich Gamma,Richard Helm,Ralph E. Johnson,John Matthew Vlissidesの４氏）により類型化された再利用可能なオブジェクト指向設計手法であり、23パターンが定義されています。こちらも別の機会に触れたいと思います。</p>
						<!-- ▲多態性▲ -->
						<h4 class="midashi02">オブジェクト指向とは何であり、何のために必要とされるのか？</h4>
						<p>今回はオブジェクト指向言語が備えるべき３つの特徴について簡単にまとめましたが、最後に、オブジェクト指向とは結局何であり、何のために必要とされるのか、についての私見で締めくくりたいと思います。</p>
						<ul class="listA01">
							<li>何なのか：<strong>階層化・抽象化のための表現技術で、複雑化した関係構造を整理整頓するための技術</strong></li>
							<li>何のため：<strong>人間の思考過程になじみやすいから</strong></li>
						</ul>
						<p>先ほど述べたカプセル化・継承・多態性によって、階層化・抽象化されたオブジェクト・ネットワークを構築することが出来ます。</p>
						<p>また、我々人間は一般的に物事を階層化して整理することに慣れているのではないでしょうか。例えば書籍は章立てで整理されますし、巻末にはアイウエオ順の用語索引があります。</p>
						<p>我々のビジネス領域における会計分野においても、実務上の会計処理を帰納的に整理するかIFRSのように原理原則から演繹的に整理するかはともかく、資産は流動資産と固定資産等のように階層化分類されます。XBRLにおけるタクソノミ(Taxonomy)という用語は分類（学）という意味を持っています。XBRLはXMLをベースとした技術ですが、XMLではタグの階層構造で意味を表現します。(XBRLでは若干異なりますが。)タグの階層構造もまたオブジェクト指向になじみやすいものだとも考えます。</p>
						<p>そして、我々はこういった構造を図式化して、線でつなげて整理するのも好きです。線で繋げるためには、繋げるモノ（オブジェクト）の境界がはっきりしていなくてはなりません。カプセル化は、この境界をはっきりさせるのに役立ちます。</p>
						<p>&nbsp;</p>
						<p>というわけで、オブジェクト指向と我々の思考過程とは自然な形でフィットしやすいものであり、だからこそ広くシステム開発の現場で受け入れられている技術なのだとも思います。</p>
						<p>また、オブジェクト指向言語（C#等）はより高度なユーザビリティを追及して進化し続けているようにも思います。（例えばジェネリクス、ラムダ式等。）</p>
						<p>我々は主にC#を使用していることもあり、今後、C#での実装例等も織り込みながら、オブジェクト指向設計原則、デザインパターン、最新の実装技術等、順次コラムで整理していきたいと考えています。</p>
						<p>&nbsp;</p> 
						<p>&nbsp;</p> 
 						<p class="alignR">取締役副社長　CTO 公認会計士　森貞裕文</p>]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>連結会計システム『Conglue(コングルー)」Ver2.5』リリース・販売開始のお知らせ</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/news/2010/05/24-000082/" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/news//3.82</id>

    <published>2010-05-24T00:00:00Z</published>
    <updated>2010-05-24T00:11:07Z</updated>

    <summary>～IFRSコンバージェンス対応版～ 　会計分野に特化し、ソフトウェア開発やコンサ...</summary>
    <author>
        <name>近藤 誠</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/news/">
        <![CDATA[<p class="alignC">～IFRSコンバージェンス対応版～</p>
<p>　会計分野に特化し、ソフトウェア開発やコンサルティングサービスを提供するプライマル株式会社(本社：東京都港区、代表者：代表取締役／公認会計士　近藤 誠)は、連結会計システム「Conglue(コングルー)」の新バージョンである Conglue Version2.5をリリースし、2010年6月より販売を開始いたします。</p>

<p>　「Conglue(コングルー)」は、内部統制報告制度の運用や今後のIFRS導入の流れを見据えながら、豊富なシステム開発経験を持つ公認会計士や連結決算実務やIFRSにも精通したコンサルタント、および会計リテラシーの高いシステムエンジニアが一体となって設計・開発し、2009年4月にリリースしたユーザビリティ・コストパフォーマンスに優れたワンストップ型の連結会計システムです。</p>

</p>　⇒Conglueのコンセプト・特長はこちら（<a href="http://www.primal-inc.com/product/conglue/concept.html" target="_blank">http://www.primal-inc.com/product/conglue/concept.html</a>）</p>

<p>&nbsp;</p>
]]>
        <![CDATA[<h5 class="midashi03">バージョンアップの概要</h5>
<p>　今回のバージョンアップでは、「Conglue(コングルー)」の標準機能として開示組替（科目の粒度変換および表示組替）機能を搭載しました。その他、財務諸表項目以外の注記に係る数値データや文字情報データについても「Conglue（コングルー）」上で管理することができ、レポーティング（ユーザー設計帳票）機能によって個別会計（収集データ）～連結会計～開示に至る多様なデータを扱うことが可能となりました。</p>
<p>　⇒Conglueの機能概要はこちら（<a href="http://www.primal-inc.com/product/conglue/function/" target="_blank">http://www.primal-inc.com/product/conglue/function/</a>）</p>

<p>　また、包括利益や過年度遡及修正といったIFRSとのコンバージェンスに伴う我が国の会計制度変更についてはタイムリーに対応し、通常保守契約の範囲内で随時バージョンアップ版をご提供します。2010年3月期より一定要件を満たす上場会社に認められるIFRSの任意適用(アドプション)についても、2011年度を目処に対応してまいります。</p>
<p>　⇒ConglueのIFRS対応方針はこちら（<a href="http://www.primal-inc.com/product/conglue/ifrs.html" target="_blank">http://www.primal-inc.com/product/conglue/ifrs.html</a>）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h5 class="midashi03">今後の展望</h5>
<p>
　IFRS対応準備の検討段階にある、あるいは既に準備に取りかかっている企業様も徐々に増えつつある中で、金融庁から「国際会計基準（ＩＦＲＳ）に関する誤解」が公表される等、様々な情報が錯綜しております。</p>
<p>　原則主義(プリンシプル・ベース)のIFRSが適用されると、システムには各社各様になる可能性のあるグループ会計方針に基づく会計処理への対応が求められます。また、IFRSが連結先行で適用されると複数GAAP運用への対応が必要となります。さらに各社の内部統制ポリシーにフィットすること、円滑な監査対応のためのレポーティング・分析機能の重要性も増していますが、これもまた各社各様であるケースが多いのが実態であり、これまで以上に柔軟なマスタ構造・システム設計が求められます。</p>
<p>　一方で、年4回の制度連結決算の他、様々な管理連結(月次実績・品種別・予算・予想 等)にも連結会計システムを利用する場合、その使い勝手の良さも重要なポイントになります。</p>
<p>　複数の科目体系やセグメント体系・連結範囲等を保持した上で複数業務を並行運用できる「柔軟性の高さ」と、ご担当者様がストレスなく連結決算業務をこなし、グループ経営管理に資する情報をタイムリーに提供することができる「使い勝手の良さ」、という２つの特徴を兼ね備えた連結会計システムを目指して、Conglue(コングルー)は進化を続けてまいります。
</p>

<p>&nbsp;</p>
<p>
　■「Conglue(コングルー)」の製品詳細情報ＵＲＬ<br/>
　　<a href="http://www.primal-inc.com/product/conglue/" target="_blank">http://www.primal-inc.com/product/conglue/</a>
</p>

<p>&nbsp;</p>
<p>
【プライマル株式会社について】<br/>
　プライマルは、会計・ITにまたがる専門知識と技術・経験を活かし、連結会計システム「Conglue」やXBRL解析エンジン「PRIMAL XBRL Parser」の開発・販売の他、広く会計分野(IFRS対応、XBRL関連の技術)のSI業務・コンサルティングサービスを提供する会社です。プライマルは、個別会計～連結会計～決算開示に至るまで究極のワンストップ会計ソリューションを提供し、会計業務とITの真の融合の実現を目指すソフトウェアベンダーです。現在、第一弾のソリューションである連結会計システム「Conglue」のバージョンアップを進めながら、お客様のさらなる業務の効率化・負荷の軽減を図るため、システム開発・サポート体制のさらなる充実に努めてまいります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>
　【本件に関するお問合わせ先】<br/>
　　プライマル株式会社　営業推進部<br/>
　　担当者：伊藤 信良<br/>
　　ＴＥＬ：03-3435-7150<br/>
　　ＦＡＸ：03-3435-7377<br/>
　　メール：sales@primal-inc.com<br/>
</p>]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>第18回【IFRS解説】借入費用（改訂版IAS第23号）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2010/04/26-000060.html" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/column//4.60</id>

    <published>2010-04-26T00:00:00Z</published>
    <updated>2010-04-26T00:40:37Z</updated>

    <summary>　第18回の【IFRS解説】シリーズは、「借入費用」（改訂版IAS第23号）です...</summary>
    <author>
        <name>澤村 喜久男</name>
        
    </author>
    
        <category term="IFRS解説" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="会計トピック" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[<p>　第18回の【IFRS解説】シリーズは、「借入費用」（改訂版IAS第23号）です。この基準は、米国基準とのコンバージェンス・プロジェクトの一環として、従来の任意適用（即時費用処理可）から強制適用に変更する形で、2009年1月1日から適用されています。（2007年3月改訂）</p>

<p>　なお、このテーマは「<a href="/column/2009/08/14-000036.html" target="_blank">第6回 【IFRS解説】 有形固定資産</a>」の中で簡単にご紹介しましたが、今回は設例を用いてもう少し詳細に取り上げたいと思います。また、特に基準全般を指したい場合を除き、意識して「IFRSs」表記は行っていないこと、ならびに本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。</p>]]>
        <![CDATA[<h2 class="midashi01">1. 借入費用の資産化の概要</h2>

<h3 class="midashi03">(1) 借入費用の資産化の定義</h3>

<p>　改訂版IAS第23号では、「適格資産」の取得・建設・製造に直接的に起因する借入費用（＝資産化適格借入費用）を、当該資産の取得原価として資産計上することを強制しています。</p>
<p>　「適格資産」については、<span class="underline">意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産</span>とされており、前回は「「<a href="/column/2009/08/14-000036.html" target="_blank">第6回 【IFRS解説】 有形固定資産</a>」で取り上げましたが、製造・制作・建設に長期を要する棚卸資産・無形資産・投資不動産等も対象に含まれますのでご注意下さい。</p>
<p>　特定の適格資産を取得する目的で借入を行っている場合（以下、「紐付借入」という場合はこれを指します。）は、費用全額（余剰資金の運用収益控除後）を資産化するため、理論上はさほど複雑ではありませんが、実際の取引では運転資金として調達した資金の一部を適格資産の取得に充当するケースが想定され、この場合も資産化率（みなし金利）を用いて資産化適格借入費用を計算し、資産計上する必要があります。
</p>

<h3 class="midashi03">(2) 資産化の開始</h3>

<p>　借入費用の資産化は、以下の条件をすべて満たした時点で開始しなければなりません。</p>
<div class="columnA01" style="border: 1px dashed gray;">
<p>
(a) 資産に係る支出が発生している<br/>
(b) 借入費用が発生している<br/>
(c) 意図した使用又は販売を可能とするために必要な活動に着手している
</p>
</div>

<h3 class="midashi03">(3) 資産化の停止・終了</h3>

<p>
　実際の取引では、意図した使用又は販売を可能とするために必要な活動が中断している期間も、借入費用が発生するケースが想定されます。この期間中は、借入費用の資産化を停止しなければなりません。</p>
<p>　また、意図した使用又は販売を可能とするために必要な活動が完了したときは、借入費用の資産化を終了します。なお、経常的な管理作業が継続する場合、資産の物理的建設が完了した時点で、実質的に意図した使用又は販売を可能とするために必要な活動は終了したとみなされます。
</p>

<h3 class="midashi03">(4) 開示</h3>

<p>
　財務諸表には、「当期中に資産化した借入費用額」「資産化適格借入費用額の決定にあたって使用した資産化率」を開示しなければなりません。
</p>

===== 

<h2 class="midashi01">2. 資産化適格借入費用の計算</h2>

<h3 class="midashi03">(1) 特定の適格資産を取得する目的で借り入れた場合（紐付借入）</h3>

<div class="columnA02">
<p>
<b>［設例１］</b>
A社は2010年5月1日に自社工場の建設を開始し、トータルコスト1,200百万円は、着工と同日にB銀行から利率10.0％で融資を受けた。工事は2010年12月31日に完成した。借入実施後、支出するまでの期間の資金運用の結果として、利息収入6百万円を受け取った。A社は3月決算。（以下の設例も同様）
<br/><br/>
<p>
■資産化適格借入費用<br/>
　1,200百万円×10.0％×8ヵ月／12ヵ月－6百万円＝74百万円
</p>
</div>

<p>
<div style="margin-left:1.5em; text-indent:-1.5em">※ 借入実行後、実際に支出するまでの間に行われる短期的な資金運用による投資利益（＝余剰資金の運用収益）を控除します。</div>
<div style="margin-left:1.5em; text-indent:-1.5em">※ 支出のタイミング等の論点は便宜上省略しています。（以下の説例も同様）</div
</p>

<h3 class="midashi03">(2) 適格資産の取得と借入に紐付関係がない場合</h3>

<div class="columnA02">
<p>
<b>［設例２］</b>
A社は2010年5月1日に自社工場の建設を開始し、2010年12月31日に完成した。トータルコスト1,200百万円は、既存の借入金でまかなわれた。2010年4月1日から2011年3月31日の年度中のA社の借入金は以下のとおり。
<br/><br/>
<div style="margin-left:1em;">
B銀行：400百万円　利率5.5％　　C銀行：1,000百万円　利率5.1％<br/>
D銀行：600百万円　利率4.5％ 
</div>
<br/>
<p>
■資産化率<br/>
　((400百万円×5.5％)＋(1,000百万円×5.1％)＋(600百万円×4.5％))<br>
　÷(400百万円＋1,000百万円＋600百万円)＝5.0％
</p>
<p>
■資産化適格借入費用<br/>
　1,200百万円×5.0％×8ヵ月／12ヵ月＝40百万円
</p>
</div>

<p>
　また、一部紐付借入がある場合は、【(紐付借入の平残×金利－余剰資金の運用収益)＋(適格資産に対する支出額の加重平均－紐付借入の平残)×資産化率】により計算します。
</p>

<div class="columnA02">
<p>
<b>［設例３］</b>
A社は2010年5月1日に自社工場の建設を開始し、トータルコスト1,200百万円のうち960百万円は着工と同日にB銀行から利率10.0％で融資を受け、240百万円は既存の借入金でまかなわれた。工事は2010年12月31日に完成した。借入実施後、支出するまでの期間の資金運用の結果として、利息収入6百万円を受け取った。2010年4月1日から2011年3月31日の年度中のA社の借入金は以下のとおり。
<br/><br/>
<div style="margin-left:1em;">
C銀行：400百万円　利率5.5％　　D銀行：1,000百万円　利率5.1％<br/>
E銀行：600百万円　利率4.5％

</div>
<br/>
<p>
■資産化適格借入費用<br/>
　(960百万円×10.0％×8ヵ月／12ヵ月－6百万円)＋(240百万円×5.0％×8ヵ月／12ヵ月)＝66百万円
</p>
</div>

<p>&nbsp;</p>
<p>
　最後に、固定資産管理におけるシステム・運用への影響については、「<a href="/column/2009/08/14-000036.html" target="_blank">第6回 【IFRS解説】 有形固定資産</a>」で記載しておりますので割愛させていただきますが、個人的に「連結」という切り口でみた場合も、重要な影響を受けるのではないかと思います。</p>
<p>　例えば、グループ内で融資を行っている企業は相当数あると認識していますが、個別FSで認識される資産化適格借入費用と、グループ外部からの調達の条件が異なることにより、（経年で償却の調整を伴う）連結上の調整が必要になるケースが想定されます。</p>
<p>　さらに、様々な外部調達スキームを活用、あるいはグループ内で一括で余資運用を行っている企業などでは、資産化適格借入費用の金額の特定自体が容易でないことも考えられ、固定資産管理、連結、キャッシュ・マネジメントのそれぞれにおいて（あるいは総合的に）、システム・運用双方の重要課題として検討する必要があると考えております。
</p>

<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>

<p class="alignR">コンサルタント／公認内部監査人・内部統制評価指導士　　澤村　喜久男</p>

]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>第17回【IFRS解説】外国為替レート変動の影響（IAS第21号）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2010/04/13-000059.html" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/column//4.59</id>

    <published>2010-04-13T00:00:00Z</published>
    <updated>2010-04-12T23:40:32Z</updated>

    <summary>　第17回の【IFRS解説】シリーズは、「外国為替レート変動の影響（IAS第21...</summary>
    <author>
        <name>澤村 喜久男</name>
        
    </author>
    
        <category term="IFRS解説" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="会計トピック" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[<p>　第17回の【IFRS解説】シリーズは、「外国為替レート変動の影響（IAS第21号）」です。ここでは、「機能通貨」と「表示通貨」という日本では採用されていない概念を用いて、外貨項目の換算方法を規定しています。</p>
<p>　なお、いわゆる外貨建のれんについては、「<a href="/column/2009/12/07-000047.html" target="_blank">第13回 【IFRS解説】 企業結合</a>」でも取り上げておりますので今回は割愛させていただくほか、為替デリバティブ（一部取引を除く）ならびに外貨項目のヘッジ会計については「金融商品：認識と測定（IAS第39号）」が、在外事業体のキャッシュ・フロー計算書の換算については「キャッシュ・フロー計算書（IFRS第7号）」がそれぞれ適用される点にご注意下さい。</p>
<p>　また、特に基準全般を指したい場合を除き、意識して「IFRSs」表記は行っていないこと、ならびに本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。</p>]]>
        <![CDATA[<h2 class="midashi01">1. 機能通貨と表示通貨</h2>

<h3 class="midashi03">(1) 機能通貨の概要</h3>

<p>
　IAS21では、「機能通貨」を<span class="underline">企業が営業活動を行う主たる経済環境の通貨</span>としており、機能通貨以外の通貨→機能通貨に換算する際に生じる<span class="underline">換算差額は、換算差損益として損益に計上</span>します。</p>
<p>　機能通貨の決定にあたっては、会社の業績・実態を最も忠実に反映する通貨を選択する必要があり、具体的には、以下の要因を考慮するとしています。
</p>

<div class="columnA01" style="border: 1px dashed gray;">
<p>
<div style="margin-left:1.5em; text-indent:-1.5em">(a) 財貨・役務の販売価格に大きく影響を与える通貨、競争力・規制が財貨・役務の販売価格を主に決定する国の通貨</div>
<div style="margin-left:1.5em; text-indent:-1.5em;">(b) 労務費、材料費、財貨・役務の提供に関するその他のコストに主に影響を与える通貨</div>
</p>
</div>

<p>　さらに、以下の要因は、機能通貨である証拠を提供するとしています。</p>

<div class="columnA01" style="border: 1px dashed gray;">
<p>
<div style="margin-left:1.5em; text-indent:-1.5em">(c) 財務活動により資金が獲得される通貨</div>
<div style="margin-left:1.5em; text-indent:-1.5em">(d) 営業活動により受取額が通常保有される通貨</div>
</p>
</div>

<p>　また、在外事業体（報告企業の所在国以外の国又は所在国の通貨以外の通貨に活動基盤を置く子会社・関連会社・JV・支店）の機能通貨が報告企業と同じかどうかを判断するにあたり、活動が親会社・本店の延長で営まれているか、親会社・本店との取引が活動に占める割合が高いかなどを考慮することとしています。</p>
<p>　なお、当然ながら機能通貨を任意に決定することは認められておらず、一度決定した機能通貨を変更することも基本的に認められません。（基礎となる事象・状態に変化があった場合のみ）
</p>

<div class="columnA02">
<p>
　例えば中国の会社において、上記の条件に合致する通貨が米ドルである場合は、機能通貨＝米ドル、米ドル以外の通貨を外貨として取り扱うことになり、換算の結果、機能通貨である米ドル建の取引からは為替差損益は生じず、外貨建取引と認識される人民等の取引から為替差損益が生じることになります。
</p>
</div>


<h3 class="midashi03">(2) 表示通貨の概要</h3>

<p>
　IAS21では、「表示通貨」を<span class="underline">財務諸表が表示される通貨</span>としており、機能通貨→表示通貨に換算する際に生じる<span class="underline">換算差額は、換算調整額としてその他の包括利益に計上</span>します。
</p>

<div class="columnA02">
<p>
　例えば、上記の中国の会社を所有している日本の親会社が表示通貨＝日本円で連結財務諸表を作成する場合、以下の流れで換算を行い、為替差額を認識します。
</p>
<p>
<img src="/column/images/article/ifrs_17/ifrs_017_1.jpg">
</p>
</div>

<p>　なお、在外事業体に「支店」が含まれることから、例えば国内会社の在外支店の機能通貨が米ドルと判定され、個別決算において換算調整額（その他の包括利益）が計上されるケースも想定されます。
</p>

===== 

<h2 class="midashi01">2. 外貨建取引の処理</h2>

<h3 class="midashi03">(1) 当初認識</h3>

<p>
　当初認識においては、取引日における直物為替レート（即時受渡しに係る為替レート）により換算して得られる機能通貨の金額で計上しなければなりません。ただし、実務に配慮して、1週間又は1ヵ月の平均レートを用いることも容認されています。（為替レートの変動が著しい場合を除く）
</p>

<h3 class="midashi03">(2) 当初認識後（期末日）</h3>
<p>
　期末日における取扱いについては、対象となる外貨建資産・負債が貨幣性項目 or 非貨幣性項目のいずれか、非貨幣性項目であれば、取得価額 or 公正価値のどちらで測定されているかによって、適用される為替レートが異なります。
</p>

<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:25%;text-align:center;">対　象</th>
<th style="width:25%;text-align:center;">適用レート</th>
<th style="width:50%;text-align:center;">換算差額の取扱い</th>
</tr>
<tr>
<td>貨幣性項目</td>
<td>決算日レート</td>
<td>為替差損益として損益に計上</td>
</tr>
<tr>
<td>取得原価で測定される<br/>非貨幣性項目</td>
<td>取引日レート</td>
<td>換算差額は認識しない</td>
</tr>
<tr>
<td>公正価値で測定される<br/>非貨幣性項目</td>
<td>公正価値決定時の<br/>為替レート</td>
<td>評価差額が直接株主持分に認識されるものは換算差額も直接株主持分に計上、評価差額が損益に計上されるものは、換算差額も損益に計上</td>
</tr>
</table>

<p>
　なお、有価証券については、日本では当該有価証券の保有目的に応じて処理が決定されるため、貨幣性項目or非貨幣性項目で処理が決定されるIFRSとは結果が異なることが考えられます。（Ex. 外貨建非上場株式）
</p>

<h2 class="midashi01">3. 表示通貨への換算</h2>

<p>
　連結財務諸表の作成にあたって、在外事業体の機能通貨が連結財務諸表の表示通貨と異なる場合は、以下の方法により表示通貨へ換算を行います。
</p>

<div class="columnA01" style="border: 1px dashed gray;">
<p>
<div style="margin-left:1.5em; text-indent:-1.5em">(1) 資産・負債は決算日レートにより換算する。</div>
<div style="margin-left:1.5em; text-indent:-1.5em">(2) 損益は原則として取引日レートにより換算する。ただし、1週間又は1ヵ月の平均レートを用いることも容認される。（為替レートの変動が著しい場合を除く。）</div>
<div style="margin-left:1.5em; text-indent:-1.5em">(3) 上記の結果生じた換算差額は株主持分の個別項目として認識する。</div>
</p>
</div>

<p>
　ここでは資本の換算レートについて明記されていませんが、取引日レート（利益剰余金は損益・配当等の積上げ）を用いた場合、日本で在外子会社のFSを換算する際の手続きと同様の結果になると考えられます。ただし、日本では損益の換算において決算日レートを使用する方法も許容されており、この方法を採用している場合は、IFRS適用にあたって変更を求められることになります。
</p>
<p>
　なお、「国際財務報告基準の初度適用（IFRS第1号）」では、IFRS移行にあたって累積換算差額をゼロとみなすことが認められており、この免除規定の適用の有無により、移行手続、あるいは処分時の損益に影響を与えるケースも考えられますのでご注意下さい。
</p>

<p>&nbsp:</p>

<p>
　最後に、特に機能通貨の問題は、財務諸表（損益・その他の包括利益）に影響を与えるのはもちろんのこと、在外子会社の機能通貨が現地通貨以外の通貨になる、あるいは個別財務諸表で在外支店の機能通貨を認識すること自体が、システムを含めた実務に重要な影響を与える可能性があります。</p>
<p>　併せて、為替レートの変動が著しく、「超インフレ経済下における財務報告（IAS第29号）」に該当する場合、過年度の財務諸表を修正再表示しなければならないという視点からも、IFRS適用にあたって十分な事前準備が必要なテーマであると考えております。
</p>

<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>

<p class="alignR">コンサルタント／公認内部監査人・内部統制評価指導士　　澤村　喜久男</p>


]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>増資に関するお知らせ</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/news/2010/04/01-000058/" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/news//3.58</id>

    <published>2010-04-01T00:00:00Z</published>
    <updated>2010-03-31T23:23:16Z</updated>

    <summary>弊社：プライマル株式会社（本社：東京都港区、代表：近藤 誠）は、このたび、新株式...</summary>
    <author>
        <name>近藤 誠</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/news/">
        <![CDATA[<p>弊社：<a href="http://www.primal-inc.com/">プライマル株式会社</a>（本社：東京都港区、代表：近藤 誠）は、このたび、新株式発行による第三者割当増資を完了しましたのでお知らせ致します。</p>]]>
        <![CDATA[<p><a href="http://www.primal-inc.com/">プライマル株式会社</a>（本社：東京都港区、代表：近藤 誠）は、役員・従業員（非常勤を含む）を対象とし、2010年3月30日を払込期日とする第三者割当増資を実施し、資本金が2,100万円から3,600万円となりました。</p>
<p>今回の増資により、自己資本のさらなる充実と財務体質の一層の強化を図るとともに、更なるサービスの向上・拡充に努めてまいります。</p>
]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>第16回【IFRS解説】収益認識（IAS第18号）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2010/03/03-000056.html" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/column//4.56</id>

    <published>2010-03-03T00:00:00Z</published>
    <updated>2010-03-02T01:32:01Z</updated>

    <summary>　第16回の【IFRS解説】シリーズは、「収益認識（IAS第18号）」です。ここ...</summary>
    <author>
        <name>澤村 喜久男</name>
        
    </author>
    
        <category term="IFRS解説" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="会計トピック" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[<p>　第16回の【IFRS解説】シリーズは、「収益認識（IAS第18号）」です。ここでは「物品の販売」「サービスの提供」「利息・ロイヤリティ・配当」に大別して、主要論点である認識の要件・測定をはじめ、収益に関する基準が包括的に定められており、詳細は本文中に記載しますが、収益認識に関する包括的な基準のない日本でIFRSを適用する場合に、多くの業種・取引において極めて重要な影響が生じるケースが考えられます。</p>
<p>　なお、IFRSではこの他に、建物等の工事契約について工事進行基準を定めた「工事契約（IAS第11号）」がありますが、こちらの詳細については今後（国際会計基準審議会（IASB）と米国財務会計基準審議会（FASB）の共同プロジェクトが進んだ段階で）取り上げることとし、今回は現時点のIAS第18号の概要を取り上げて、日本基準との差異や対応を検討したいと思います。</p>
<p>　また、特に基準全般を指したい場合を除き、意識して「IFRSs」表記は行っていないこと、ならびに本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。</p>

]]>
        <![CDATA[<h2 class="midashi01">1. 収益の定義</h2>
<p>
　IAS第18号では、収益は「持分参加者からの拠出に関連するもの以外で、持分の増加をもたらす一定期間中の企業の<span class="underline">通常の活動過程で生ずる</span> <span class="underline">経済的便益</span>の総流入」としています。</p>
<p>　「通常の活動過程で生ずる」は、基準のタイトルが 【revenue】 であるとおり、広義の収益（income：revenue と gainを含む）のうち、狭義の収益（revenue）を指しており、反復的・経常的な取引を対象としていると解されます。また、「経済的便益」については、企業が自己の計算により受領した又は受領可能な経済的便益に限定されており、<span class="underline">第三者のために回収した金額が含まれない</span>点に注意が必要です。
</p>
<p>
　これに関連して、収益認識の議論としてしばしば取り上げられるのが、いわゆる商社的取引における売上のGross／Netの問題で、先ごろ公表された「我が国の収益認識に関する研究報告（中間報告）」においても、商社の会計慣行として顧客との取引の対価を総額で売上計上することがあり、日本の会計基準では明示されていないものの、契約上代理人として行われる取引については、手数料のみを収益として表示することが適切とされています。</p>
<p>　つまり、日本でも本来は純額表示が適切な取引においても、明文化された基準がないために総額表示されてきた実務慣行があり、例えば商社・百貨店・不動産賃貸業（転貸）等の会社がIFRSを適用した場合に、売上金額が大きく減少するケースが想定されますので、取引を慎重に検討する必要があると考えられます。
</p>

<h2 class="midashi01">2. 収益認識基準（概論）</h2>
<p>　1.を定義した上で、IAS第18号では収益を獲得するための取引を「(1)物品の販売」「(2)サービスの提供」「(3)利息・ロイヤリティ・配当」に区分し、それぞれについて収益を認識するための要件を定めています。</p>

<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:55%;" class="alignC">要　件</th>
<th style="width:15%;" class="alignC">(1)物品の<br/>販売</th>
<th style="width:15%;" class="alignC">(2)サービス<br/>の提供</th>
<th style="width:15%;" class="alignC">(3)利息・<br/>ロイヤリティ<br/>・配当</th>
</tr>
<tr>
<td>経済的便益が流入する可能性が高い</td>
<td class="alignC">○</td>
<td class="alignC">○</td>
<td class="alignC">○</td>
</tr>
<tr>
<td>収益の額を信頼性をもって測定することができる</td>
<td class="alignC">○</td>
<td class="alignC">○</td>
<td class="alignC">○</td>
</tr>
<tr>
<td>物品の所有に伴う重要なリスクと経済価値が買手に移転している</td>
<td class="alignC">○</td>
<td class="alignC">－</td>
<td class="alignC">－</td>
</tr>
<tr>
<td>所有と通常結び付けられる程度の継続的な管理上の関与も有効な支配も保持していない</td>
<td class="alignC">○</td>
<td class="alignC">－</td>
<td class="alignC">－</td>
</tr>
<tr>
<td>原価を信頼性をもって測定することができる</td>
<td class="alignC">○</td>
<td class="alignC">○</td>
<td class="alignC">－</td>
</tr>
<tr>
<td>期末日の取引の進捗度を信頼性をもって測定することができる</td>
<td class="alignC">－</td>
<td class="alignC">○</td>
<td class="alignC">－</td>
</tr>
</table>

<p>　今回はこのうち(1)と(2)について、後の章で取り上げたいと思います。(3)については、上記の2つの要件を満たした場合に、実効金利法（利息）や発生基準（ロイヤリティ）等に従って収益を認識するとされています。</p>
<p>　なお、IFRSではIAS第18号の他に、冒頭で記載した「工事契約（IAS第11号）」、解釈指針として「収益：広告サービスにおける交換取引（SIC31）」等がありますが、直接的に収益に関連する基準はこれらを含めて10にも満たない状況であり、産業ごとに100 以上のガイダンスを提供する米国基準と比較して、原則主義といわれる所以であると考えられます。</p>

===== 

<h2 class="midashi01">3. 収益の測定</h2>
<h3 class="midashi03">(1) 一般原則</h3>
<p>　IAS第18号では、収益の測定の一般原則として、「収益は受領した又は受領可能な対価の公正価値により測定しなければならない」としています。</p>
<p>　公正価値については、これまでのコラムでも取り上げておりますとおり、「取引の知識がある自発的な当事者間で、独立第三者間取引において資産が交換又は負債が決済される価額」とされており、収益の測定においては、通常取引相手との契約により決定されます。</p>
<p>　なお、値引きやリベートは売上から控除することとされており、（日本で慣行として認められる）期間費用に計上する方法を採用している会社にとっては、IFRS適用にあたって売上金額が減少するケースが考えられます。（前述の「我が国の収益認識に関する研究報告（中間報告）」においても、本来は売上から控除することが適切とされています。）
</p>

<h3 class="midashi03">(2) 対価の回収が長期にわたる場合</h3>
<p>
　対価の回収が長期にわたる場合、対価の公正価値は実際に受領した又は受領可能な対価よりも少なくなることがあります。これが実質的に金融取引を構成すると判断される場合は、将来のすべての入金予定額をみなし利率で割り引いた金額を収益として認識し、対価との差額は利息収益として認識することになります。（割賦販売についても考え方は同様です。→4.物品の販売）</p>
<p>　みなし利率については、「類似の信用格付を有する企業が発行した金融商品に対する実勢金利」または「将来のキャッシュ・フローの名目額が現金販売価格と等しくなるような割引率」のうち、より明確に決定可能な利率を使用するとしており、貸倒リスクを考慮するために顧客の追加借入利子率を反映する場合があるとしています。<br>
</p>

<div class="columnA02">
<p>　Ｘ年3月31日に顧客に商品を10,000で販売し、支払いを1年間繰り延べた場合（みなし利率10%）、Ｘ年3月31日に修了する年度の包括利益計算書で認識する売上収益は、10,000／1.1＝9,091となり、10,000との差額909は利息収益として認識します。</p>
</div>

<h3 class="midashi03">(3) バーター取引</h3>
<p>
　物品・サービスが同じような性質や価値を持つ物品・サービスと交換される場合は、収益を生み出す取引とはみなされないとしています。</p>
<p>　例えば、A地域に生産拠点を持つX社と、B地域に生産拠点を持つY社の間で契約が交わされ、B地域におけるX社顧客への供給をY社が、A地域におけるY社顧客への供給をX社が行うケースなどが該当します。（実態に応じて差額部分のみ売上計上等）</p>
<p>　一方、異なる種類の物品・サービスと交換される場合は収益を生み出す取引とみなされ、受け取る物品・サービスの公正価値により収益を測定します（現金の授受を伴う場合は公正価値に加減）。受け取る物品・サービスの公正価値を信頼性をもって測定できない場合は、譲渡する側の物品・サービスの公正価値により測定します。
</p>

===== 

<h2 class="midashi01">4. 物品の販売</h2>
<h3 class="midashi03">(1) 取引の識別</h3>
<p>
　例えば、顧客に大規模な機械設備を納入するようなケースでは、納入の際に据付工事が行われ、継続的にメンテナンスが提供されるケースが考えられます。物品の販売とサービスの提供では収益の認識要件が異なるため、このような取引は識別可能な構成要素まで分解した上で、2.の表の認識要件を満たす場合に収益に計上します。</p>
<p>　一方、いくつかの取引が一体となってはじめて経済的効果が発生するような取引、例えば、物品の販売と、その物品を後日買い戻す契約を締結した場合、（条件によっては）物品の販売と買戻しを一体の取引として取り扱うことになります。
</p>
<h3 class="midashi03">(2) 重要なリスクと経済価値の移転</h3>
<p>
　物品の販売における収益認識においては、2.の認識要件のうち「物品の所有に伴う重要なリスクと経済価値が買手に移転している」がしばしば議論の対象になります。</p>
<p>　通常、物品の所有に伴う重要なリスクと経済価値の移転は、法律上の所有権の移転や買手による占有によりおこりますが、それ以外のタイミングで移転がおこるケース、あるいは契約上の移転が実質的に移転にあたらないケースも想定され、取引の実態を総合的に判断する必要があると考えられます。</p>
<p>　IAS第18号では、重要なリスク及び経済価値が売手に留保される事例として、以下のようなケースを上げています。
</p>
<div class="columnA01">
<p>
(a) 不十分な履行に対する義務を留保している。（通常の保証の範囲を除く）<br/>
(b) 買手が再販売によって収益を得ることが、売手が収益を受け取る条件である。<br/>
(c) 契約の重要部分である場合の据付が完了していない。<br/>
(d) 買手が購入を取り消す権利を有し、返品の可能性が不確実である。
</p>
</div>

<p>
　これに関連して、日本でIFRSを適用するにあたって、収益認識の議論として最も取り上げられることが多いテーマのひとつが、いわゆる「出荷基準」の問題です。</p>
<p>　ここまでと同様に、日本では物品販売の収益認識について明文化された規定がなく、「我が国の収益認識に関する研究報告（中間報告）」においても、簡便的に出荷日をもって収益を認識している実務が存在すること、売手の出荷の日をもって収益を認識することは適切でないことが記載されています。</p>
<p>　したがいまして、1.のGross／Netの問題と同様に、本来は顧客への物品引渡時に収益を認識すべき取引について、簡便的に出荷時に収益を認識している実務慣行があり、IFRSを適用した場合に収益認識基準の見直しが必要となる可能性があります。</p>
<p>　この問題は、利益にも大きな影響を与えることが想定されるほか（いわゆる期ズレ）、出荷基準→検収基準等への変更にあたって、基幹システムの改修や社内外のオペレーション（取引先を含む）の大幅な変更などの対応が必要となる可能性があり、経営上の重要な課題として全社的に対応していく必要があると考えられます。
</p>

<h3 class="midashi03">(3) 個別取引における収益認識基準</h3>
<p>
　IAS第18号の付録（Appendix）では、物品販売に関連した以下の取引形態（抜粋）を取り上げ、収益認識の考え方を提示しています。
</p>

<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:25%;">(a) 請求済未出荷販売</th>
<td>買手が所有権を有し、請求を受け入れている場合は、引渡しの可能性が高いこと、いつでも引き渡せる状態にあることなどの条件を満たせば収益は認識される。</td>
</tr>
<tr>
<th>(b) 条件付出荷<br/>　　(据付・検収)</th>
<td>据付作業が単純な場合、検査が契約価格の最終決定のためだけに行われる場合は、据付・検収のプロセスを経なくても買手が引渡しを受けた時点で収益を認識できる。</td>
</tr>
<tr>
<th>(c) 条件付出荷<br/>　　(試用販売)</th>
<td>返品の可能性について不確実性がある場合、買手が正式に受け入れるか、物品が引き渡され、且つ返品を認める期間が経過したときに収益を認識する。</td>
</tr>
<tr>
<th>(d) 買戻条件付販売</th>
<td>所有に伴うリスク及び経済価値の移転が満たされない場合は、資金調達として認識し、収益は認識しない。</td>
</tr>
<tr>
<th>(e) 中間業者への販売<br/>　　(委託販売)</th>
<td>買手（中間業者）が実質的に代理人として行動している場合は委託販売として取り扱われ、買手が第三者に物品を販売したときに収益を認識する。</td>
</tr>
<tr>
<th>(f) 代金引換販売</th>
<td>引渡しが行われ、代金を売手又はその代理人が受領したときに収益を認識する。</td>
</tr>
<tr>
<th>(g) 割賦販売</th>
<td>利息相当を除いた販売価格に相当する収益を販売時に認識する。販売価格は割賦代金をみなし割引率で割り引き、利息部分は実効金利法により獲得時に認識する。</td>
</tr>
</table>

<p>
　なお、割賦販売については、日本では利息相当額を控除せず一括で売上に計上する処理が認められており、IFRS適用にあたり見直しが必要となることが考えられます。
</p>

===== 

<h2 class="midashi01">5. サービスの提供</h2>
<h3 class="midashi03">(1) サービスの提供による収益の認識</h3>
<p>
　サービスの提供の場合は、2.の表の認識要件を満たす場合に、収益を取引の進捗度に応じて認識します（進行基準）。進捗度の計算は、見積原価に対する発生原価の割合など、信頼性をもって測定できる方法で行われます。
2.の表の認識要件を満たさない場合は、発生した原価のうち回収可能性が高い部分についてのみ収益を認識、発生した原価の回収可能性が高くない部分は、発生原価のみを計上します。</p>
<p>　この発生した原価のうち回収可能性が高い部分についてのみ収益を認識する方法は、原価回収基準（cost recovery method）と呼ばれ、IFRSの特徴的な処理のひとつであり、IFRS適用にあたって継続的に会社のオペレーションに組み込まれるべき内容であると考えております。
</p>
<p>
　なお、「工事契約（IAS第11号）」の考え方は、サービスの提供における「進行基準」「原価回収基準」の考え方と基本的に同じと考えて差し支えないと思います。
</p>

<div class="columnA02">
<p>
<b>工事契約（IAS第11号）</b><br/>
　工事契約の結果を信頼性をもって見積もることができる場合は、請負業務の決算日現在の進捗に応じて収益・費用を認識します（工事進行基準）。工事契約の結果を信頼性をもって見積もることができない場合は、収益は発生した工事契約原価のうち回収できる可能性が高い部分についてのみ認識し（原価は発生した期間に認識）、最終的に損失が見込まれる場合は、予想される損失を直ちに費用として認識します。
</p>
</div>


<h3 class="midashi03">(2) 個別取引における収益認識基準</h3>
<p>
　IAS第18号の付録（Appendix）では、サービスの提供に関連した以下の取引形態（抜粋）を取り上げ、収益認識の考え方を提示しています。
</p>


<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:25%;">(a) 据付料</th>
<td>据付けの進捗度に応じて収益を認識するが、物品の販売に付随する場合は、物品の販売時に収益を認識する。</td>
</tr>
<tr>
<th>(b) 製品価格に含まれる<br/>　　サービス報酬</th>
<td>製品の販売価格にサービスに対する識別可能な金額が含まれている場合、当該サービスに相当する収益金額を繰り延べ、サービスが提供される期間にわたり収益を認識する。</td>
</tr>
<tr>
<th>(c) フランチャイズ料</th>
<td>当初及びその後のサービスの提供、備品等の供給、ノウハウの提供等に区分して判断する。<br/>
（備品等の供給）<br/>
対象物の引渡し又は所有権が移転する際に収益を認識する。<br/>
（サービスの提供）<br/>
当初の手数料か別個の手数料かにかかわらず、当該サービスの提供に応じて収益を認識する。別個の手数料で「継続的なサービスの原価＋合理的な利益」が賄えない場合は、当初の手数料のうち「継続的なサービスの原価＋合理的な利益」を繰り延べ、サービスの提供に応じて収益を認識する。当初手数料の回収が長期にわたり、回収可能性に重大な不確実性がある場合は、現金を受領した際に収益を認識する。<br/>
（継続フランチャイズ料）<br/>
サービスの提供又は権利の使用に従い収益を認識する。</td>
</tr>
</table>

<p>
<br>
<br>
　最後にここまでのまとめとして、日本では「工事契約に関する会計基準（企業会計基準第15号）」、「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い（実務対応報告第17号）」等が収益認識に関する会計基準として存在しますが、これまで企業会計原則あるいは税法を基に（時に明文化されていない）実務慣行が積み上げられてきた経緯があり、IAS第18号との間に理論上の本質的な差異はないものの、結果として企業経営に重要な影響を与える可能性があります。</p>
<p>　したがいまして、この実質的な差異について、IASBとFASBの共同プロジェクト（2011年に単一の収益認識原則を用いた新会計基準が公表される見込み）をはじめとする今後の基準改正の動きに注意しながら、早急に全社的な対応準備を進めていくことが重要であると考えております。
</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>

<p class="alignR">コンサルタント／公認内部監査人・内部統制評価指導士　　澤村　喜久男</p>
]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>AIMCセミナー（2010年3月19日(金)）にて弊社代表取締役（公認会計士）の近藤が講演いたします</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/news/2010/03/01-000057/" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/news//3.57</id>

    <published>2010-03-01T04:00:00Z</published>
    <updated>2010-03-19T12:33:53Z</updated>

    <summary>　エイアイエムコンサルティング株式会社（http://www.aimc.co.j...</summary>
    <author>
        <name>近藤 誠</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/news/">
        <![CDATA[<p>　エイアイエムコンサルティング株式会社（<a href="http://www.aimc.co.jp/" target="_blank">http://www.aimc.co.jp/</a>）主催の「AIMCセミナー（ERM・IFRS）」において、弊社代表取締役（公認会計士）の近藤が～IFRSｓが連結決算業務に与える影響とその対策～と題しまして、講演をさせていただくことになりましたのでお知らせします。</p>

<p>　弊社の専門分野である連結会計システムによる対応を中心にIFRSへの対応のポイントについてご紹介いたします。</p>

<p>　セミナーの詳細につきましては下記URL（エイアイエムコンサルティング株式会社のWebサイト）をご参照ください。</p>

<p>
【開催日時】：2010年3月19日（金）　13:30～16:50（受付開始13:10～）<br/>
【会場】　　　：東京ミッドタウンタワー4F カンファレンスルーム5<br/>
詳細はこちら→http://www.aimc.co.jp/mails/seminar_2010mar.htm 【終了】</p>]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>第15回【IFRS解説】関連会社投資とジョイント・ベンチャー持分</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2010/02/24-000055.html" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/column//4.55</id>

    <published>2010-02-23T23:00:00Z</published>
    <updated>2010-02-24T00:53:56Z</updated>

    <summary>　第15回目の【IFRS解説】シリーズのテーマは、「関連会社に対する投資（IAS...</summary>
    <author>
        <name>澤村 喜久男</name>
        
    </author>
    
        <category term="IFRS解説" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="会計トピック" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[<p>　第15回目の【IFRS解説】シリーズのテーマは、「関連会社に対する投資（IAS第28号）」と「ジョイント・ベンチャーに対する持分（IAS第31号）」です。ジョイント・ベンチャーについては、現時点では日本で採用されていない「比例連結」を選択適用する点が特徴であり、これまでの経緯から、日本にIFRSが強制適用される際に、この比例連結が引き続き採用される可能性は低いと考えておりますが、ここでは現行のジョイント・ベンチャーに関する処理を整理したいと思います。</p>
<p>
　また関連会社投資につきましては、決算日・会計方針の統一等は前回の「<a href="http://www.primal-inc.com/column/2010/02/16-000054.html" target="_blank">第14回【IFRS解説】連結会計</a>」で取り上げた内容と類似していますので、持分法の範囲に止めさせていただきます。</p>
<p>
　なお、特に基準全般を指したい場合を除き、意識して「IFRSs」表記は行っていないこと、ならびに本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。</p>
<p>&nbsp;</p>
]]>
        <![CDATA[
<h2 class="midashi01">1．投資の種類</h2>
<p>
　まずはじめに、投資・被投資の形態と基準の関係を、前回取り上げた「子会社」も含めて、次の表に整理します。（売却目的保有に分類される場合を除く。）
</p>

<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:40%;" class="alignC">投資形態</th>
<th style="width:20%;" class="alignC">持分比率<br/>（目安）</th>
<th style="width:40%;" class="alignC">会計処理</th>
</tr>
<tr>
<td>支配が存在する</td>
<td class="alignC">50％超</td>
<td>「連結及び個別財務諸表」（IAS27）に従って処理（連結）</td>
</tr>
<tr>
<td>重要な影響力を行使するために十分な持分を保有している</td>
<td class="alignC">20％～50％</td>
<td>「関連会社に対する投資」（IAS28）に従って処理（持分法）</td>
</tr>
<tr>
<td>他の投資企業とともに、被投資会社を共同支配している＝ジョイント・ベンチャー</td>
<td class="alignC">--</td>
<td>「ジョイント・ベンチャーに対する持分」（IAS31）に従って処理（持分法又は比例連結）</td>
</tr>
<tr>
<td>重要な影響力を行使することができない</td>
<td class="alignC">20％未満</td>
<td>「金融商品：認識及び測定」（IAS39）に従って処理</td>
</tr>
</table>

<p></br>
　次章で詳しく取り上げますが、最終的な会計処理の決定は、連結の範囲の場合と同様に「投資会社と被投資会社の実質的関係」によって判断されます。
</p>

<p>&nbsp;</p>

=====

<h2 class="midashi01">2．関連会社投資</h2>
<h3 class="midashi02">(1) 持分法の範囲</h3>
<p>
　重要な影響力について、議決権の20%以上を保有（間接保有含む）している場合は、明らかな反証が認められない限り、重要な影響力を有していると推定されます。逆に、議決権割合が20%に達しない場合は、明らかな反証が認められない限り、重要な影響力を有していないと推定され、投資会社の重要な影響力は、以下の1つ以上の事実により証明されるとしています。
</p>

<div class="columnA02">
<ul class="listB01">
<li>被投資企業の取締役会等への役員の派遣 </li>
<li>配当やその他の分配の決定への関与を含む方針の決定過程への関与</li>
<li>投資企業と被投資企業の間の重要な取引</li>
<li>経営陣の人事交流</li>
<li>重要な情報技術の提供</li>
</ul>
</div>

<p>
※ パートナーシップのような法人以外の事業体も含まれます。<br>
※ 議決権については、行使・転換可能な潜在的議決権を考慮します。
</p>
<p><br>
　ここまで、日本基準においてもいわゆる実質影響力基準が導入されているため、基本的な概念に違いはないものと考えられますが、連結の範囲と同様に、
</p>
<ul class="listA01">
<li>日本基準に持分法適用除外の規定<span style="color:red;">（※1）</span>が存在する</li>
<li>非連結子会社に対する投資について原則として持分法を適用する</li>
<li>実質影響力基準の適用にあたって議決権の比率に数値基準（15%～20%未満）を設けている</li>
</ul>
<p>
に注意が必要です。（IFRSには非連結子会社の概念は存在しません。）
</p>

<p><br>
　IFRSでは、（売却目的保有に分類される場合を除き）重要な影響力を有するすべての会社に持分法を適用することとしており、IFRS適用にあたって持分法の範囲が異なるケースが懸念されます。したがいまして、連結の範囲と同様に、投資先企業の見直しは避けられないと考えられます。
</p>
<br>

<div class="columnA02">
<span style="color:red;">※1</span>　以下の会社は、持分法の適用対象から除かれます。
<ul class="listA01">
<li>影響が一時的である場合の関連会社</li>
<li>利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれがある場合の非連結子会社及び関連会社</li>
</ul>
</div>

<h3 class="midashi02">(2) その他の留意事項</h3>
<p>
　冒頭で記載しましたとおり、決算日・会計方針の統一等は前回の「<a href="http://www.primal-inc.com/column/2010/02/16-000054.html" target="_blank">第14回【IFRS解説】連結会計</a>」で取り上げた内容と類似しているため、今回は割愛させていただきます。ただし、子会社の場合と同様に、現在日本で行われているよりも厳格な運用が求められるのではないかと考えております。</p>
<p>
　その他、持分法における損失の負担に関して、投資簿価を超過する損失の認識を行わない点は、子会社の処理（IFRSでは非支配持分にも負担させる）とは異なりますのでご注意下さい。（優先株式や長期貸付金の簿価は、清算順位にしたがって減額します。）
</p>

<p>&nbsp;</p>

=====
<h2 class="midashi01">3．ジョイント・ベンチャーの形態</h2>
<p>
　日本基準では、混然一体となっている合弁会社の資産・負債等を一律に按分し、連結財務諸表に計上することは不適切であるとして、これまで比例連結は採用されてきませんでした。（持分法適用）</p>
<p>
　これに対して現行のIFRSでは、ジョイント・ベンチャーを「共同支配の営業活動」「共同支配の資産」「共同支配企業」に区分してそれぞれの会計処理を規定しており、このうち「共同支配企業」について、比例連結又は持分法を選択適用します。
</p>

<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:20%;">(1) 共同支配の<br/>　　営業活動</th>
<td>独立した財務組織を設立せず、共同支配投資企業の資産を使用して営業活動を行い、契約上の取り決めによって収益の分配を受けます。したがって、共同支配投資企業の<span class="underline">個別財務諸表で認識</span>されます。</td>
</tr>
<tr>
<th style="width:20%;">(2) 共同支配の<br/>　　資産</th>
<td>独立した財務組織を設立せず、共同支配投資企業が共同支配・共有する資産を使用して営業活動を行い、共同支配の資産・負債・収益・費用のうち自己の持分額を共同支配投資企業の<span class="underline">個別財務諸表で認識</span>します。</td>
</tr>
<tr>
<th style="width:20%;">(3) 共同支配<br/>　　企業</th>
<td>共同支配投資企業が持分を有する法人等（＝共同支配企業）を設立して事業を行い、共同支配企業が資産を支配して収益を獲得、共同支配投資企業は共同支配企業から利益の配分を受ける権利を有します。共同支配企業は財務諸表を作成し、共同支配投資企業は<span class="underline">持分法又は比例連結を適用</span>して、共同支配企業に対する持分を反映させます。</td>
</tr>
</table>
<p>&nbsp;</p>
<h2 class="midashi01">4．比例連結の方法</h2>
<p>
　「共同支配企業」について比例連結を適用する場合、以下のいずれかの方法により連結財務諸表に持分を反映させます。
</p>
<div class="columnA02">
<p style="text-indent:-1.5em;margin-left:1.5em;">
(1) 共同支配投資企業の個別財務諸表において、共同して支配する資産のうち自己の持分相当額と、共同責任がある負債のうち自己の持分相当額を財政状態計算書に、収益及び費用のうち自己の持分相当額を包括利益計算書に計上します。 
</p>
<p style="text-indent:-1.5em;margin-left:1.5em;">
(2) 共同支配投資企業の連結財務諸表において、共同支配企業の資産・負債・収益・費用のうち自己の持分相当額を類似する科目と合算することができます。 
</p>
</div>

<p><br>
　結果的に、表示科目の相違が生じることが考えられますが、大科目あるいは流動・非流動、段階損益ベースでは(1)(2)は同じ結果になるものと考えられます。
</p>

<p>&nbsp;</p>

===== 

<h2 class="midashi01">5．ジョイント・ベンチャーとの取引</h2>
<p>
　共同支配投資企業とジョイント・ベンチャーとの間に取引がある場合は、当該取引の実質に照らして処理を決定します。
</p>
<h3 class="midashi03">(1) 共同支配投資企業がジョイント・ベンチャーに資産を販売</h3>
<p>
　共同支配投資企業が所有に伴うリスクと経済価値をジョイント・ベンチャーに移転している場合は、他の共同支配投資企業の持分に帰属する額を認識します。（自社持分に帰属する損益を消去）</p>
<p>
　また、販売取引が流動資産の正味実現可能価額の減少又は減損損失が生じている証拠となる場合は、損失全額を認識します。<br>
</p>
<h3 class="midashi03">(2) 共同支配投資企業がジョイント・ベンチャーから資産を購入</h3>
<p>
　独立した第三者に売却するまで、当該取引から生じるジョイント・ベンチャーの利益のうち、自己の持分相当額を消去します。また、損失が発生する場合は、(1)と同様に損失全額を認識します。
</p>
<p>&nbsp;</p>
<h2 class="midashi01">6．今後の対応</h2>
<p>
　まず、「ジョイント・ベンチャーに対する持分（IAS第31号）」の今後の動向に注意する必要があり、仮に比例連結が引き続き採用される場合、4－(2)の方法を採用するにあたって、FS全額を登録して各勘定科目の持分相当額を取り込むといった運用は、現行の連結システムでは実現できないと考えられますので、システム改修の必要性が生じます。</p>
<p>
　逆に、比例連結が廃止された場合も（持分法適用）、複雑なスキームの共同支配契約に対して、必要なコンポーネントに分割し、「共同営業」「共同資産」「共同支配契約」（3－(1)～(3)に相当）の会計処理を求める動きがあり、このような取引を行っている会社様にとりましては、比例連結よりも重い課題を負うことになることも予想されます。</p>
<p>
　これらの点からも、連結システムには相当なエキスパート・システムであること、またコンサルタントも含めてフレキシブルな対応が求められるものと認識を強くしております。</p>
<p>
　今後動きがありましたら、引き続き取り上げていきたいと考えております。
</p>

<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>

<p class="alignR">コンサルタント／公認内部監査人・内部統制評価指導士　　澤村　喜久男</p>]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>第14回【IFRS解説】連結会計</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2010/02/16-000054.html" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/column//4.54</id>

    <published>2010-02-16T02:00:00Z</published>
    <updated>2010-03-03T12:20:31Z</updated>

    <summary>　第14回目の【IFRS解説】シリーズのテーマは「連結会計」です。　前回のウェブ...</summary>
    <author>
        <name>近藤 誠</name>
        
    </author>
    
        <category term="IFRS解説" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="会計トピック" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[<p>　第14回目の【IFRS解説】シリーズのテーマは「連結会計」です。<br />　前回のウェブコラム「<a href="http://www.primal-inc.com/column/2009/12/07-000047.html" target="_blank">第13回【IFRS解説】企業結合（改訂版IFRS第3号）</a>」でも触れました通り、「連結及び個別財務諸表（IAS第27号）」が2008年1月に改訂され、2009年7月以降開始する事業年度から適用されています。これは、国際会計基準審議会（IASB）と米国財務会計基準審議会（FASB）によるコンバージェンス・プロジェクトの成果であり、これによってIFRSと米国基準は（一部の差異を除いて）かなり近づいたと言えると思います。<br />　一方、日本基準につきましては、2008年12月に企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」（以下、連結会計基準と呼びます）が公表され、2010年4月1日以降開始事業年度より（強制）適用されます。</p>
<p>　今回は、主に改訂版のIAS第27号と日本の連結会計基準の（残存する）差異について、主要な論点を取り上げて解説させていただきます。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
        <![CDATA[<h2 class="midashi01">1. 連結会計に関する基本的な考え方（連結財務諸表の作成目的）</h2>
<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:50%;text-align:center;">IFRS</th>
<th style="width:50%;text-align:center;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<td>経済的単一体説</td>
<td>親会社説<br/>(※一部「経済的単一体説」の立場を採用)</td>
</tr>
</table>
<p>　IFRSは、連結財務諸表は少数株主を含む全ての株主のために作成されるという「経済的単一体説」の立場をとっているのに対し、日本基準は連結財務諸表は親会社のために作成されるという「親会社説」の立場をとっています(※1)。<br/>
　この基本的な考え方の違いにより、企業結合や連結会計処理に関して、様々な手続的な差異が生じてきます。</p>

<p style="text-indent:-2em; margin-left:2em;">(※1)日本基準は、IFRSとのコンバージェンスに伴い、一部「経済的単一体説」の考え方に基づく会計処理を採用しており、(過渡的に)論理一貫性がない基準になっていると言われています。</p>

<p>&nbsp;</p>

===== 

<h2 class="midashi01">2. 連結の範囲</h2>
<h3 class="midashi03">(1) 支配の有無の判定</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th class="alignC" style="width:10%;">&nbsp;</th>
<th class="alignC" style="width:40%;">IFRS</th>
<th class="alignC" style="width:40%;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<th>支配の要件</th>
<td>
<ul class="listC01">
<li>議決権の過半数を直接・間接に保有している</li>
<li>議決権の過半数に満たない場合でも、以下のいずれかに該当すれば、支配は存在するとされます</li>
</ul>
<div class="columnA02">
<ul class="listB01">
<li>他の投資家との協定によって、議決権の過半数を有している</li>
<li>法律や契約等によって、財務・経営方針を左右する力を有している</li>
<li>取締役会の過半数の選任・解任する力を有している</li>
<li>取締役会等の意思決定機関において過半数の投票権を有している</li>
</ul>
</div>
</td>
<td>
<ul class="listC01">
<li>議決権の過半数を自己の計算において所有している</li>
<li>議決権の40%- 50%を自己の計算において所有している場合、以下のいずれかに該当すれば、支配は存在するとされます</li>
</ul>
<div class="columnA02">
<ul class="listB01">
<li>自己の計算において所有している議決権と、緊密な関係にある者が所有している議決権を合わせると50%を超える</li>
<li>取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めている</li>
<li>重要な財務及び営業または事業の方針の決定を支配する契約等が存在する</li>
<li>資金調達額の過半について融資（債務保証等を含む）を行っている</li>
</ul>
</div>
</td>
</tr>
<tr>
<th>潜在的議決権</th>
<td>
考慮する<br/>
<div class="columnA01">
ワラント債・転換社債を発行している場合等、現在行使または転換可能な潜在的議決権を考慮することが求められます。<br/>
その際、自社保有分以外についても潜在的議決権を考慮する必要があります。また、親会社に行使・転換の意思があるかどうかに関わらず、あくまで現時点で行使または転換可能な状態であるかどうかが判断基準になる、とされているようです。
</div>
</td>
<td>考慮しない</td>
</tr>
</table>
<p>
　IFRS・日本基準のいずれにおいても、いわゆる実質支配力基準が導入されており、基本的な支配の概念に違いはないものと考えられます。<br/>　しかしながら、日本基準については実質支配力基準の判断に際して40%以上 50%以下という数値基準が定められている点と、以下に示す非連結子会社の概念（連結除外の規定）が存在するという点において、IFRSとの差異があることに留意が必要です。
</p>

<p>&nbsp;</p>
<h3 class="midashi03">(2)非連結子会社（連結除外規定）</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th class="alignC" style="width:50%;">IFRS</th>
<th class="alignC" style="width:50%;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<td>
なし
</td>
<td>
あり<br/>
以下の会社は連結範囲から除外
<div class="columnA02">
<ul class="listA01">
<li>支配が一時的であると認められる子会社</li>
<li>連結範囲に含めることにより、利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる子会社</li>
</ul>
</div>
</td>
</tr>
</table>
<p>
　IFRSでは、実質支配を有するすべての子会社を連結することが求められており、一時支配の連結子会社については「<a href="http://www.primal-inc.com/column/2009/10/26-000043.html?page=all" target="_blank">第10回【IFRS解説】売却目的で保有する非流動資産及び廃止事業（IFRS第5号）</a>」でも解説しました通りIFRS第5号が適用されるため、いったん連結した上で、資産グループが売却目的保有として分類されない場合の帳簿価額と、売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で評価する必要があります。
<br/>
　また、日本基準において重要性のない小規模子会社は連結範囲に含めなくて良いという規定がありますが、IFRSではどうかということを考えますと、財務諸表の作成・表示に関するフレームワークにおける重要性の概念に鑑みて、重要性のない子会社も含めて全て必ず連結しなければならないということにはならないと思われます。</p>

<p>&nbsp;</p>
<h3 class="midashi03">(3)SPE（特別目的事業体）の連結範囲</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th class="alignC" style="width:50%;">IFRS</th>
<th class="alignC" style="width:50%;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<td>
　IFRSでは、金融資産の証券化等を目的として設立された特別目的事業体についても、実質支配を有する場合には連結範囲に含めることが求められます。<br/>
　SIC第12号「連結－特別目的事業体」が適用され、自動操縦の概念が明示される等、実質支配の判定について厳格な対応がなされています。
</td>
<td>
　一定の設立目的に該当する特別目的会社で一定の要件を満たす、いわゆる適格SPEについては、子会社に該当しないものと推定され、連結対象となりません。
</td>
</tr>
</table>
<p>
　SIC第12号「連結－特別目的事業体」において、一般的な支配概念以外で支配が推定される場合として、以下のケースが示されています。
</p>
<div class="columnA02">
<p>
<ul class="listB01">
<li>事業活動<br/>
　SPEの事業活動が企業の特定の事業上の必要に従ってその企業のために行われ、それにより企業はSPEの事業運営から便益を受けている</li>
<li>意思決定<br/>
　SPEの事業活動の便益の大半を獲得するための意思決定の権限を保有し、又は「自動操縦」の仕組みを設定することによって企業はこの意思決定の権限を委託している</li>
<li>便益とリスク<br/>
　企業はSPEの便益の大半を獲得する権利をもつゆえにSPE の事業活動に伴うリスクにさらされている</li>
<li>残余価値又は所有リスク<br/>
　その企業はSPEの事業活動からの便益を得るために、SPE又はその資産に関連した残余価値又は所有リスクの大半を負っている</li>
</ul>
</p>
</div>
<p>
日本基準においては、財務諸表等規則第8条7項にて、
<ul class="listA01">
<li>適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立</li>
<li>当該SPEの事業がその目的に従って適切に遂行されている</li>
</ul>
</p>
<p>
という要件に該当する場合には、当該SPEに対する出資者及び当該SPEに資産を譲渡した会社等から独立しているものと認め、出資者等の子会社に該当しないものと推定する、とされています。
</p>
<p>
　ただし、この財規第8条7項の適用により子会社に該当しないとされたSPEについては「開示対象特別目的会社」として注記対象となります。
</p>

<p>&nbsp;</p>
<h3 class="midashi03">(4)ベンチャー・キャピタル</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th class="alignC" style="width:50%;">IFRS</th>
<th class="alignC" style="width:50%;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<td>
　IFRSでは、単に投資企業がベンチャー・キャピタルやミューチュアル・ファンド等投資企業であるという理由で、その子会社が連結対象とならない、ということはありません。<br/>
　ベンチャー・キャピタル等によるキャピタルゲイン獲得を目的とした営業投資であっても、実質支配を有する場合には当該子会社は連結対象となります。
</td>
<td>
　ベンチャー・キャピタル等による営業投資については、（実質）支配の要件を満たす場合でも、以下の条件の全てに該当すれば、子会社ではないと判断されます。
<div class="columnA02">
<ul class="listB01">
<li>売却等により議決権の大部分を所有しないことになる合理的な計画がある</li>
<li>営業取引として投融資を行っている以外には取引がほとんどないこと</li>
<li>被投資会社の事業の種類は、自己の事業を単に移転したり自己に代わって行うものとはみなせないこと</li>
<li>被投資会社とのシナジー効果も連携関係も見込まれない</li>
</ul>
</div>
</td>
</tr>
</table>

<p>&nbsp;</p>
===== 

<h2 class="midashi01">3. 会計方針・決算日の統一</h2>
<h3 class="midashi03">(1)会計方針の統一</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th class="alignC" style="width:50%;">IFRS</th>
<th class="alignC" style="width:50%;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<td>
統一
</td>
<td>
原則として統一<br/>
在外子会社については、IFRSまたは米国基準に準拠している場合、当面の取り扱いとして以下の6項目の調整をすることでそのまま利用可能
<div class="columnA02">
<ul class="listC01">
<li>のれんの償却</li>
<li>退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理</li>
<li>研究開発費の支出時費用処理</li>
<li>投資不動産の時価評価および固定資産の再評価</li>
<li>会計方針の変更に伴う財務諸表の遡及修正</li>
<li>少数株主損益の会計処理</li>
</ul>
</div>

</td>
</tr>
</table>
<p>
　IFRSでも日本基準でも、類似環境下における類似の取引・事象に対して、統一した会計方針を適用して連結財務諸表を作成することが求められています。<br/>
　しかしながら、日本基準においては、「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」（実務対応報告第18号）により、当面の取扱いとして、IFRSまたは米国基準に準拠して作成している場合は、6項目の調整をすることで、当該財務諸表を連結決算手続上利用することができる特例が設けられています。
</p>

<p>&nbsp;</p>
<h3 class="midashi03">(2)子会社の決算日が親会社の決算日と異なる場合の取扱い</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th class="alignC" style="width:50%;">IFRS</th>
<th class="alignC" style="width:50%;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<td>
<ul class="listA01">
<li>実務上不可能な場合を除き、子会社は連結用に親会社の決算日で財務諸表を作成</li>
<li>決算日の差異はいかなる場合も3ヵ月を超えることは認められない</li>
<li>実務上不可能な場合でも、異なる決算日の間に生じた重要な取引は、連結財務諸表に反映させることが必要</li>
</ul>
</td>
<td>
<ul class="listA01">
<li>決算日差異が3か月を超えない場合には当該決算日の財務諸表をそのまま連結することが可能</li>
<li>異なる決算日の間に生じた重要な(グループ内)取引は連結財務諸表に反映させることが必要</li>
</ul>
</td>
</tr>
</table>
<p>
　IFRSでも日本基準でも、可能な限り決算日を統一することが求められていますが、IFRSにおける実務上不可能な場合（あらゆる合理的な努力を行っても対応ができない場合）、という例外規定に関するハードルが日本基準よりも高いと考えられているようです。<br/>
　つまり、単に「作業に時間がかかる」とか「僻地にある在外子会社のためコミュニケーションロスが大きい」といった理由で実務上不可能と認められない可能性が高い、仮に認められたとしても、異なる決算日の間に発生した取引に関する差異調整の手続(内容)がより厳格になると考えられます。
</p>


<h2 class="midashi01">4. 非支配持分（少数株主持分）</h2>
<h3 class="midashi03">(1) 持分変動時の会計処理</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th class="alignC" style="width:14%;">パターン<br/>(持分比率)</th>
<th class="alignC" style="width:38%;">IFRS</th>
<th class="alignC" style="width:38%;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<th class="alignC">支配獲得時<br/>（10%->60%）</th>
<td>
支配獲得日に既存の持分（10%）を公正価値で再評価し、差額を損益計上<br/>
<p style="text-indent:-1em;margin-left:1em;">※詳細につきましては、前回のウェブコラム（<a href="http://www.primal-inc.com/column/2009/12/07-000047.html?page=4" target="_blank">第13回【IFRS解説】企業結合（改訂版IFRS第3号） - 4. 段階取得における会計処理</a>）を参照してください。</p>
</td>
<td>
IFRSと同様、既存の持分（10%）を時価で再評価し、差額を損益計上
</td>
</tr>
<tr>
<th class="alignC">追加取得時<br/>（60%->80%）</th>
<td>
<span class="underline">資本取引扱い</span><br/>
追加取得持分と投資額の差額を資本に直接計上
</td>
<td>
追加取得持分と投資額の差額を<span class="underline">のれん</span>として計上
</td>
</tr>
<tr>
<th class="alignC">一部売却時<br/>（80%->60%）</th>
<td>
<span class="underline">資本取引扱い</span><br/>
持分減少額と投資減少額の差額を資本に直接計上
</td>
<td>
持分減少額と投資減少額の差額を<span class="underline">（子会社株式）売却損益</span>（の調整）として計上
</td>
</tr>
<tr>
<th class="alignC">支配喪失時<br/>（60%->10%）</th>
<td>
売却差額を損益計上し、支配喪失日における残存投資持分(10%)を公正価値評価
</td>
<td>
持分減少額と投資減少額の差額を<span class="underline">（子会社株式）売却損益</span>（の調整）として計上
</td>
</tr>
</table>

<h3 class="midashi03">(2) 債務超過のケース</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:50%;text-align:center;">IFRS</th>
<th style="width:50%;text-align:center;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<td>
持分比率に基づいて親会社株主・非支配株主の両者で負担
<p style="text-indent:-1em;margin-left:1em;">※非支配持分のマイナス残高もあり得る</p>
</td>
<td>
超過分は親会社持分が負担
<p style="text-indent:-1em;margin-left:1em;">※株主間で少数株主に負担させる旨の合意がある場合には少数株主も負担</p>
</td>
</tr>
</table>

<p>&nbsp;</p>
<h3 class="midashi03">(3) 表示</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:50%;text-align:center;">IFRS</th>
<th style="width:50%;text-align:center;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<td>
当期損益と包括利益を親会社株主に帰属する損益と非支配持分に帰属する損益に区分して表示
<img src="/column/images/upload/ifrs_14_1.gif" border="0" />
</td>
<td>
当期純損益の前（税金等調整前当期純損益 - 当期純損益の間）で、少数株主損益を控除
<img src="/column/images/upload/ifrs_14_2.gif" border="0" />
<p style="text-indent:-1em;margin-left:1em;">※2010/4/1以後適用の連結会計基準において、純損益計算の区分の中で新たに「少数株主損益調整前当期純損益」を表示することになりました。</p>
</td>
</tr>
</table>

<p>&nbsp;</p>

=====


<h2 class="midashi01">5. その他の論点</h2>
<h3 class="midashi03">(1) みなし取得・売却</h3>
<table class="tableA03">
<tr>
<th style="width:50%;text-align:center;">IFRS</th>
<th style="width:50%;text-align:center;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<td>
みなし取得・売却の明文規定なし
</td>
<td>
（子会社）株式の取得日または売却日等が子会社の決算日以外の日である場合には、当該日のいずれか近い決算日（四半期含む）に株式の取得または売却等が行われたものとみなして処理することが可能
</td>
</tr>
</table>

<p>&nbsp;</p>
<h3 class="midashi03">(2) 在外子会社の財務諸表の換算</h3>

<p>
IAS第27号とは直接関係ありませんが、連結決算のプロセスにおいて重要な手続きである在外子会社の財務諸表の換算についてまとめてみたいと思います（IAS第21号「外貨換算」）。
</p>
<table class="tableA03">
<tr>
<th class="alignC" style="width:16%;">項目</th>
<th class="alignC" style="width:37%;">IFRS</th>
<th class="alignC" style="width:37%;">日本基準</th>
</tr>
<tr>
<th class="alignC">資産・負債</th>
<td>
期末日レート（CR）
</td>
<td>
期末日レート（CR）
</td>
</tr>
<tr>
<th class="alignC">資本</th>
<td>
&lt;親会社による株式取得時&gt;<br/>
株式取得時のレート
<p>&lt;株式取得後（剰余金）&gt;<br/>
それぞれの項目の発生時のレート
</p>
</td>
<td>
<p>&nbsp;</p>
<p class="alignC">同左</p>
</td>
</tr>
<tr>
<th class="alignC">収益・費用<br/>包括利益項目</th>
<td>
<span class="underline">取引日レート</span>
<p>為替レートの変動が緩やかで取引日レートと近似する場合には<span class="underline">期中平均レート（AR）</span>の使用も可能</p>
</td>
<td>
［原則］<span class="underline">期中平均レート（AR）</span>
<p><span class="underline">期末日レート（CR）</span>の使用も可能</p>
<p style="text-indent:-1em;margin-left:1em;">※親会社との取引による収益及び費用の換算は、親会社が換算に用いる為替相場による。この場合に生じる差額は当期の為替差損益として処理する。</p>
</td>
</tr>
<tr>
<th class="alignC">在外子会社の<br/>「のれん」</th>
<td>
<span class="underline">期末日レート（CR）</span>
<p>
在外子会社への投資から発生するのれんは、当該子会社の資産または負債として処理され、期末レート（CR）換算する。
</p>
</td>
<td>
&lt;現行&gt;<br/>
在外子会社への投資から発生するのれんは為替相場の変動の影響を受けない<br/>⇒<span class="underline">発生時レート（HR）</span>換算
<p>
&lt;2010/4/1以後開始連結会計年度から&gt;<br/>
IFRSと同様に期末日レートで換算
</p>

</td>
</tr>
</table>

<p>&nbsp;</p>

<h2 class="midashi01">6. まとめ</h2>

<p>
ここまで、IAS第27号及び日本の連結会計基準の内容を中心に、主要な論点を取り上げてIFRS・日本基準を対比しながら解説してまいりましたが、
</p>
<ul class="listC01">
<li>連結範囲の見直し</li>
<li>子会社・関連会社が適用している会計方針の調査、親会社の会計方針への統一対応</li>
<li>親会社の決算日と異なる子会社・関連会社の決算期の調整、あるいは連結用の仮決算実施に向けた準備対応　etc.</li>
</ul>
<p>
といった、実務の負担が大きな対応を求められることになる企業様も少なくないと思われます。（2.については、過去に実務対応報告18号への対応の過程で在外子会社の会計方針の洗い出しや調整作業を経験された企業様は、その成果の全部または一部を利用可能と思われます。）<br/>
　特に（SPEを含む）連結範囲の見直しについては、今後のIFRS導入に向けた業務・システム対応を検討する上で、そのスコープ自体が変わってくる可能性もありますので、早いタイミングで検討を開始されることをお勧めします。<br/>
　また、支配継続中の子会社株式の一部売却が資本取引扱いとなり売却益が計上できなくなるため、企業様の投資政策にも影響を与える可能性があります。
</p>

<p>
　前回のウェブコラム「<a href="http://www.primal-inc.com/column/2009/12/07-000047.html" target="_blank">第13回【IFRS解説】企業結合（改訂版IFRS第3号）</a>」で取り上げた「全部のれんアプローチ」や、今回取り上げた支配継続中の持分変動（追加取得・一部売却）に伴う会計処理、それから在外子会社に係るのれんの換算等については、コンバージェンスによる日本基準の改定時、あるいはIFRSの（任意or強制）適用時に対応することとなりますが、連結会計システム（特に資本連結のモジュール）に大きな影響を与えます。
</p>
<p>
　また、現行のIFRS導入のロードマップによれば、少なくとも当初のIFRSの適用対象は連結財務諸表のみ（連結先行）であり、初度適用時あるいは任意適用期間中の並行開示が求められるのも連結財務諸表のみです。<br/>
　今のところIFRSの強制適用のタイミングとしては2015 - 2016年頃が濃厚ですが、昨今のコンバージェンスによる日本基準の改訂の流れを見ますと、強制適用時のIFRS・日本基準の差異は、現在よりもだいぶ僅少になっている可能性が高いと考えられます。<br/>
</p>
<p>
　IFRS導入への対応方針として、まずは制度開示対応のみというミニマムの対応を考えている企業様にとりましては、連結会計システムの活用がポイントになると考えております。つまり、連結範囲の見直しやグループ各社の会計方針の調査等を行った上で、連結会計システムのデータ収集モジュール等を利用して、会計基準差異が生じている資産・負債や取引に関する情報を収集する仕組みを構築し、親会社の連結決算担当者が当該情報を元に組替（個別修正）仕訳を作成することでIFRSベースの連結財務諸表を作成する業務フローを確立することで対応する、という選択肢もあるということです。並行開示が必要な期間については、いわゆる二重帳簿保持の仕組みを利用して、連結会計システム上でIFRS・日本基準それぞれの連結財務諸表を作成することになります。
</p>
<p>
　もちろん、固定資産管理システムや販売管理システム等の対応が不要と考えているわけではありません。特に固定資産管理システムへの影響はかなり大きいと想定されますし、ERPの複数帳簿保持の機能を活用することはとても有効な手段であると考えております。<br/>
　ERPを導入してグループ展開されているような比較的大規模な企業様であれば、個別会計側も含めて費用対効果や現行のタイトな決算スケジュール内での対応が可能か等、総合的に勘案してシステム対応の範囲や方針を検討することになるでしょう。しかしながら、国内に小規模な子会社が数社のみ、というような比較的小規模な企業様の場合、費用対効果の観点からも、連結会計システム上での組替で開示対応をしようと考える可能性が高いと思われます。<br/>
　ERPやその他個別会計システムの複数帳簿保持の機能と、連結会計システムのデータ収集や連結処理及びレポーティングの機能をそれぞれ組み合わせた、それぞれの企業様にフィットしたソリューションを検討することで、費用対効果の高いシステム対応方針が見えてくるはずである、と考えております。
</p>

<p>&nbsp;</p>

<div class="columnA02">
<p>
　弊社の連結会計システム「Conglue（コングルー）」は、最後発でリリース間もない連結パッケージですが、IFRS対応を強く意識してシステムの基本設計・機能実装を進めてまいりました。Conglueはデータ収集モジュールも内包しており（ライセンスも含む）、連結会計システムによる組替方式でIFRS対応される場合でもご利用いただきやすい構成・設計になっております。<br/>
　また、過去に当ウェブコラムでも取り上げました過年度遡及修正（「<a href="http://www.primal-inc.com/column/2009/11/06-000044.html" target="_blank">第11回【IFRS解説】「過年度遡及修正</a>」）やマネジメント・アプローチによるセグメント開示（「<a href="http://www.primal-inc.com/column/2009/07/16-000031.html" target="_blank">第3回【IFRS解説】「マネジメント・アプローチ」によるセグメント開示</a>」）、（制度）開示書類のXBRL化等、［個別会計］ - ［連結会計］ - ［開示］にわたる決算財務報告プロセスにおける一連のデータの整合性の確保・一元管理のニーズが高まるものと予想されます。<br/>
　弊社といたしましては、そのようなニーズに応えるべく、連結会計システムの提供に留まらず、個別会計や開示を含めた決算財務報告プロセスを一気通貫でサポート出来るようなソリューションや、それぞれのお客様にとって最適な（IFRS対応含めた）コンサルテーションをご提供できますように日々努力してまいりますので、今後ともご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
</p>
</div>

<p>&nbsp;</p>

<p>最後に、本文中、意見にわたる部分は私見であることを申し添えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p class="alignR">代表取締役社長／公認会計士　　近藤 誠</p>]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>(株)オージス総研主催「IT部門のためのIFRS対策セミナー（東京｜大阪）」にて弊社代表取締役（公認会計士）の近藤が講演いたします</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/news/2010/02/03-000053/" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2010:/news//3.53</id>

    <published>2010-02-03T11:42:00Z</published>
    <updated>2010-03-01T04:04:02Z</updated>

    <summary>　(株)オージス総研主催の「IT部門のためのIFRS対策セミナー」において、弊社...</summary>
    <author>
        <name>近藤 誠</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/news/">
        <![CDATA[<p>　(株)オージス総研主催の「IT部門のためのIFRS対策セミナー」において、弊社代表取締役（公認会計士）の近藤が「ＩＦＲＳシステム対応のポイント」と題しまして、講演をさせていただくことになりましたのでお知らせします。</p>

<p>　弊社の専門分野である連結会計システムによる対応を中心にIFRSへのシステム対応のポイントについてご紹介いたします。</p>

<p>セミナーの詳細につきましては下記URLをご参照ください。</p>

<p>東京開催＜2/19(金)＞：http://www.ogis-ri.co.jp/event/f-01-000001B6.html 【終了】</p>
<p>大阪開催＜2/26(金)＞：http://www.ogis-ri.co.jp/event/f-01-000001BA.html 【終了】</p>
]]>
        
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>第13回【IFRS解説】企業結合（改訂版IFRS第3号）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2009/12/07-000047.html" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2009:/column//4.47</id>

    <published>2009-12-07T09:00:00Z</published>
    <updated>2010-02-20T12:23:00Z</updated>

    <summary>　第13回目の【IFRS解説】シリーズは、「企業結合（改訂版IFRS第3号）」で...</summary>
    <author>
        <name>澤村 喜久男</name>
        
    </author>
    
        <category term="IFRS解説" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="会計トピック" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[<p>　第13回目の【IFRS解説】シリーズは、「企業結合（改訂版IFRS第3号）」です。まず、これまでの経緯としまして、「企業結合（IFRS第3号）」、「連結及び個別財務諸表（IAS第27号）」が2008年1月に改訂され、2009年7月以降開始する事業年度から適用されています。これは、国際会計基準審議会（IASB）と米国財務会計基準審議会（FASB）によるコンバージェンス・プロジェクトの成果であり、これによってIFRSと米国基準は（一部の差異を除いて）かなり近づいたと言えると思います。</p>
<p>　一方、日本では2008年12月に企業会計基準委員会（ASBJ）から、「企業結合に関する会計基準（企業会計基準第21号：2010年4月以降の企業結合から適用、他の基準と同時適用の場合は早期適用可）」、「連結財務諸表に関する会計基準（同第22号）」等の改正が一斉に公表されたのは記憶に新しいところですが、これによりIFRSと日本基準についても多くの差異が解消されることになるものの、まだいくつかの重要な差異が残っており、現在ASBJにおいて解消に向けての検討が行われています。</p>
<p>　今回は、IFRSにおける企業結合（改訂版）の処理方法である「取得法」の手続きから、特に重要と考えられる論点を取り上げて整理してまいります。なお、特に基準全般を指したい場合を除き、意識して「IFRSs」表記は行っていないこと、ならびに本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。</p>]]>
        <![CDATA[<h2 class="midashi01">1. IFRSにおける企業結合の概要（取得法） </h2>
<p>　日本では上記の「企業結合に関する会計基準」の改正により、2010年4月以降の企業結合から持分プーリング法を廃止し、（共同支配企業の形成および共通支配下の取引以外の）企業結合はパーチェス法により会計処理することになっています。</p>
<p>　IFRSでは、従前から持分プーリング法は認められておらず、さらに改訂版IFRS第3号において、呼称がパーチェス法から取得法に変更されるとともに、連結財務諸表を親会社と少数株主の双方の観点から作成する、経済的単一体説を明確に採用することになりました。</p>
<p>　取得法を適用するにあたっては、以下の手順に従って処理を行います。</p>
<div class="columnA01">
<ol class="listC01">
<li>取得企業の識別</li>
<li>取得日の決定</li>
<li>被取得企業の識別可能資産・負債及び非支配持分（日本基準の少数株主持分）の認識と測定</li>
<li>のれん又はバーゲン・パーチェスによる利得の認識と測定</li>
</ol>
</div>
<p>　このうち今回は、(3)と(4)を次章以降で詳しく見ていきたいと思います。</p>
<p>　(1)については、取得法を適用する上で、実際の取引ではどちらが取得企業であるかの判断が困難なケースが考えられますが、このような場合は「連結及び個別財務諸表（改訂版IAS第27号）」における連結の範囲に関する規定のほか、改訂版IFRS第3号において、取得企業決定にあたり考慮すべきこととして、企業規模、結合後企業の経営陣の構成・議決権割合、株式の交換条件等が例示されています。</p>
<p>　なお、連結の範囲の詳細につきましては、次回以降に「連結及び個別財務諸表（改訂版IAS第27号）」で取り上げる予定です。</p>
=====
<h2 class="midashi01">2. 識別可能資産・負債及び非支配持分の認識と測定 </h2>
<p>　取得法では、取得日において被取得企業の資産と負債が認識され、公正価値で測定されます。この基本的な考え方は、日本の企業結合会計（パーチェス法）と同じですが、IFRSでは、識別可能資産・負債は、「IFRSのフレームワークの資産・負債の定義を満たしている」且つ「取得企業と被取得企業が企業結合取引の一部として交換したものである」場合に認識するとされており、資産・負債の概念の違いが、企業結合における資産・負債の認識の違いにも影響していると考えられます。</p>
<p>　なお、「取得企業と被取得企業が企業結合取引の一部として交換したものである」という要件については、結合後に費用として認識するような取引が、企業結合会計の中で処理されることを抑止する目的があるものと解されます。</p>
<p>　以下、認識・測定を行う上で注意が必要な点として、特徴的な取引を取り上げます。</p>
<h3 class="midashi03">(1) 無形資産 </h3>
<p>　被買収企業が認識していなかった無形資産（典型例として被取得企業のブランド名等）についても、「無形資産（IAS第38号）」の定義を満たし、公正価値が信頼性をもって測定できる場合は、一般的な利用価値を前提として個別に認識しなければなりません。また、仕掛中の研究開発費についても、無形資産の要件を満たせば公正価値で測定され、資産計上されます。</p>
<p>無形資産の定義については、「第7回 【IFRS解説】 無形資産（IAS第38号）、リース（IAS第17号）」で取り上げました通り、「物質的実態のない識別可能な非貨幣性資産」とされており、また、識別可能であるためには、「分離可能であること（separable）」又は「契約又はその他の法的な権利から生じるものであること」とされています。</p>
<p>　日本基準においても、冒頭の「企業結合に関する会計基準」の改正の中で、従前の「取得原価を無形資産等に配分することができる」規定から、「原則として識別して資産計上することを求める」ことに変更されたほか、「取得企業が取得対価の一部を研究開発費等に配分したときは、当該金額を配分時に費用処理する」旨の取扱いが廃止されました。</p>
<div class="columnA02">
<h4 class="midashi04">再取得権</h4>
<p>　例えば、企業結合日以前に取得企業が被取得企業にライセンスを付与していた場合、取得企業が取得した識別可能純資産の中に、当該ライセンス利用権が含まれますが、これを企業結合に伴って再取得した場合は無形資産として認識します。</p>
<p>　但し、ライセンス等の権利については、更新される可能性を検討して公正価値を決定するのが一般的ですが、再取得権の公正価値については、残存している契約期間に基づいて測定する点に注意が必要です。</p>
</div>

<h3 class="midashi03">(2) 偶発債務 </h3>
<p>　過去の事象に起因する取得日時点の債務であり、その公正価値が信頼性をもって測定できる場合には、発生可能性にかかわらず取得日の公正価値で認識しなければなりません。</p>
<p>　日本基準においては、一定の要件を満たす場合、企業結合に係る特定勘定として計上可能であるとの基準がありますが、処理の相違だけでなく、実際に「いくらで測定するか」といった検討にまで及んでいるケースは多くないのではないかと考えられます。</p>

<h3 class="midashi03">(3) 非支配持分（少数株主持分） </h3>
<p>　日本基準において、「企業結合に関する会計基準」の改正により、2010年4月以降の企業結合から、従来の部分時価評価法又は全面時価評価法の選択適用から、全面時価評価法のみに変更されることになりました。</p>
<p>　IFRSでは、非支配持分は企業結合ごとに、「(a)非支配持分自体の公正価値」又は(b)被取得企業の識別可能純資産（の公正価値）に対する非支配持分割合相当額」のいずれかの方法を選択して測定するとしており、このうち(b)は全面時価評価法に相当する方法であると解されます。</p>
<p>　この前提においては大きな問題はないものと考えられますが、米国基準では現時点（改訂後）においても、取得企業は非支配持分をそれ自体の公正価値で測定しなければならないとしており（(a)の方法のみ）、IFRSと異なる取扱いが残っているため、今後の動向に注意が必要です。</p>
<h3 class="midashi03">(4) その他の注意事項 </h3>
<p>(a)&nbsp;貸付金のように将来のキャッシュ・フローに不確実性がある資産については、その不確実性は取得日の公正価値を測定する際に考慮するため、別途貸倒引当金を計上することは行いません（債権の公正価値測定に含める）。同様に、有形固定資産についても減価償却累計額は認識せず、有形固定資産を公正価値で測定します。</p>
<p>(b)&nbsp;企業結合後に解雇される被取得企業の余剰従業員に対する解雇給付、企業結合後の本社移転費用など、企業結合の結果発生するリストラクチャリングに係る費用は、企業結合会計において識別可能な負債として認識することはできません。</p>
<p>(c)&nbsp;被取得企業のオペレーティング・リース（借手）については、契約条件を市場の条件と比較し、契約条件が市場条件より有利な場合はその部分を無形資産として、不利な場合は負債として認識しなければなりません。（貸手については、リース資産の公正価値の測定を行います。）</p>
<p>このほか、繰延税金資産・負債、従業員給付、売却目的で保有する資産等については、それぞれのIFRSの基準に従って認識・測定を行います。</p>

=====
<h2 class="midashi01">3. のれん又はバーゲン・パーチェスによる利得の認識と測定 </h2>
<p>　IFRS第3号の改訂にあたって、のれんの算定方法について重要な変更が行われました。</p>
<h3 class="midashi03">(1) 全部のれんアプローチ</h3>
<p>　従来のパーチェス法においては、少数株主持分は取得企業の識別可能純資産の公正価値に対する持分相当額、のれんは取得企業の持分相当額を認識する、いわゆる「購入のれんアプローチ」でしたが、改訂版IFRS第3号では、非支配持分も含めた取得企業全体を公正価値で測定し、のれんは非支配持分に帰属する部分も含めて認識する「全部のれんアプローチ」と、「購入のれんアプローチ」を選択適用することになりました。</p>
<p><img id="図 4" src="http://www.primal-inc.com/column/images/article/ifrs_13/image001.png" alt="" width="584" height="296" /> </p>
<p>　なお、従前は企業結合の原価に含めていた企業結合に直接起因する費用（弁護士費用、コンサルタントに対する費用等：結果的にのれんの一部を構成）について、改訂版IFRS第3号ではサービスを受けた期の費用として処理することになりました。</p>
<p>　日本基準では、これらに対応する改正は現時点では行われていません。</p>
<h3 class="midashi03">（2） のれん又はバーゲン・パーチェスの会計処理 </h3>
<p>&nbsp;&nbsp;(1)の「のれん」がプラスの場合は、取得企業の資産として認識し、当初認識後は償却を行わず、毎期減損テストを実施します。なお、のれんについては減損損失の戻入れは出来ません。</p>
<p>　また、(1)の「のれん」がマイナスになる「バーゲン・パーチェス」のケース（事業の所有者が公正価値未満の額で処分するような場合）では、識別可能資産・負債及び偶発債務と結合原価の見直しを行い、それでもマイナスの場合は直ちに利益として認識されます。</p>
<p>　日本基準では「企業結合に関する会計基準」の改正により、2010年4月以降の企業結合から「負ののれん」についてはバーゲン・パーチェスと同様の処理を行うことになりましたが、のれんの償却は（重要性が乏しい場合を除き）20年以内の定額法償却のままであり、今後差異の解消が見込まれます。</p>
<h3 class="midashi03">(3) 在外子会社株式の取得により生じたのれんの会計処理 </h3>
<p>　日本基準において、在外子会社の取得等により生じたのれんを外国通貨で把握して決算日レートにより換算、のれんの償却額については、当該在外子会社等の他の費用と同様に換算することになります。（「連結財務諸表に関する会計基準」等の改正と同時適用）</p>
<p>　この改正もIFRSとの整合を図るためのものですが、実際に対応するためには、当然ながら取得時の処理を把握する必要があり、会社によっては初めて連結を行う際に、あるべき取得時の処理が分からず（分かる範囲で）フレッシュスタートしているケースも見受けられ、対応が困難な場合が懸念されます。</p>

=====
<h2 class="midashi01">4. 段階取得における会計処理 </h2>
<p>　実務においては、他の企業の持分を数回に分けて段階的に取得することがしばしば行われます。この場合、取得日において過去から保有していた持分を取得日の公正価値で再測定しなければなりません。再測定による影響額について、従前は資本に計上することとされていましたが、改訂版IFRS第3号において損益として計上することになりました。</p>
<p>　この取扱いについては、日本基準においても「企業結合に関する会計基準」の中で、同様の改正が行われています。</p>
<p><img id="図 5" src="http://www.primal-inc.com/column/images/article/ifrs_13/image002.png" alt="" width="584" height="296" /> </p>
<p>　なお、過去から保有していた持分を売却可能金融資産（日本における「その他有価証券」）として分類していた場合、当該投資については公正価値の変動をその他の包括利益として認識していることが想定されますが（「金融商品：認識および測定（IAS第39号）」）、この場合は、当該評価差額についても取得日において損益に振り替える処理が必要になります。</p>
<p>　最後に、IFRSの企業結合を適用するにあたっては、システム・運用の両面において重要な変更が必要になることが想定されます。</p>
<p>　システムについては、在外子会社ののれん、あるいはバーゲンパーチェス（負ののれん）といった喫緊の課題については概ね解決に向かっているものの、仮に将来「全部のれんアプローチ」を選択する場合など、いわゆる連結会計システムにおける「持分計算表」について、基礎部分からの改修が必要になると考えられます。</p>
<p>　また運用面においては、当基準のひとつひとつが企業結合のスキーム、あるいは企業結合の是非そのものに影響を与えることも考えられ、外部専門家の活用等も含めて、慎重な判断を行っていくことが重要であると考えております。</p>
<p>※<a href="http://www.primal-inc.com/common/html/wc/wc13_appendix.html" target="_blank">「付録」：企業結合に係る会計基準 - 改訂版IFRS｜新旧日本基準 対比表 （作成/PRIMAL）</a></p>
<p class="alignR">コンサルタント／公認内部監査人・内部統制評価指導士　　澤村　喜久男</p>]]>
    </content>
</entry>


<entry>
    <title>第12回【IFRS解説】法人所得税（IAS第12号）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2009/11/25-000046.html" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2009:/column//4.46</id>

    <published>2009-11-25T04:00:00Z</published>
    <updated>2010-02-20T12:54:06Z</updated>

    <summary>　第12回目の【IFRS解説】シリーズは、「法人所得税（IAS第12号）」です。...</summary>
    <author>
        <name>澤村 喜久男</name>
        
    </author>
    
        <category term="IFRS解説" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="会計トピック" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[<p>　第12回目の【IFRS解説】シリーズは、「法人所得税（IAS第12号）」です。比較的取り上げられることが少ないテーマですが、会社によって影響を受けるIFRSの基準は異なるものの、税金に関しては多数の取引と関連しており、財務諸表への影響はもちろん、運用・システムへの影響も極めて大きいことが予想されます。なお、基準のタイトルは「法人所得税」ですが、ここでは当期税金（<em>current tax</em>）と繰延税金（<em>deferred tax</em>）についての会計処理が定められており、特に今回は繰延税金について日本基準との差を中心に取り上げたいと思います。</p>
<p>　また、特に基準全般を指したい場合を除き、意識して「IFRSs」表記は行っていないこと、ならびに本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。</p>]]>
        <![CDATA[
<h2 class="midashi01">&nbsp;1. 法人所得税の概要</h2>
<p><em>(1) 当期税金</em></p>
<p>　当然ながら、法人所得税額の計算方法は各国の税法で定められており、IFRSでは計算された税額の取り扱いについて規定しています。この前提においては、IFRSと日本基準の間には違いはないと考えていいと思います。</p>
<p>ただし、IFRSにおいて直接資本の部に認識される取引、すなわち有形固定資産の再評価益、遡及適用や誤謬の訂正による期首剰余金の修正等に係る税金については、当該取引とともに「その他の包括利益」を通じて直接資本の部に計上される点に注意が必要です。</p>

<p>(2) 繰延税金の計算</p>
<p>繰延税金の計算は、以下の手順で行われます。（個別決算）</p>

<div class="columnA01">
<ul class="listB01">
<li>資産・負債に計上されている一時差異、繰越欠損金を計算する。</li>
<li>(a)の実現（決済）する年度に適用される税率を乗じて繰延税金を計算する。</li>
<li>繰延税金負債と繰延税金資産を認識する。（&rarr;2．繰延税金資産の認識）</li>
<li>繰延税金残高の増減額を包括利益計算書又は持分変動計算書において認識する。</li>
<li>要件を満たす繰延税金負債と繰延税金資産を相殺する。</li>
</li>
</ul>
</div>
=====

<h2 class="midashi01">&nbsp;2. 繰延税金資産の認識</h2>
<p>　繰延税金の認識に関して、繰延税金負債についてはすべての将来加算一時差異を認識しますが、繰延税金資産については、その帳簿価額が将来に獲得される経済的便益によって回収されることが必須条件であり、特に繰越欠損金については、以下の考慮が必要とされます。</p>

<div class="columnA01">
<ol class="listC01">
<li>繰越期限内に使用対象となる課税所得をもたらすのに十分な将来加算一時差異を有しているか。</li>
<li>繰越期限内に十分な課税所得が稼得される根拠があるか。</li>
<li>再発しそうもない特定の原因によって発生した繰越欠損金か。</li>
<li>繰越期限内に課税所得を生じさせるようなタックス・プランニングが実行可能か。</li>
</ol>
</div>

<p>　これらについて、日本基準では「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」（監査委員会報告第66号）により、会社の財政状態や過去の課税所得の状況等を基準に会社を1-5（プラス「4の但書」）の区分に分類し、区分ごとにタックス・プランニングを重視した、具体的な回収可能性の判断指針が示されています。</p>
<p>　IFRSにはこのように詳細なルールはなく、繰越期限内に繰越欠損金を使用するのに十分な課税所得を稼得する可能性が高いかどうか等が総合的に判断されます。つまり、「回収可能性が低い場合は繰延税金資産を認識しない」基本的な概念については同様ですが、結果的にIFRS適用にあたって認識される繰延税金資産が異なるケースが考えられます。</p>
<p>　個人的に、（将来加算一時差異が最初に取り上げられることからも）税務の方が会計よりも償却が先行するケースを認める国がある中、日本が損金経理を税務上の損金算入の要件としていることも、両者の相違の原因のひとつであると考えますが、IFRS適用にあたって発生する仕訳の多くが一時差異になることを勘案しますと、（仮に連結先行でIFRSが適用される前提で）IFRSベースで回収可能性を再検討することが実務に与える影響は、極めて大きいと考えております。</p>

=====

<h2 class="midashi01">&nbsp;3. その他の影響（連結・注記・表示）</h2>
<p>(1) 未実現利益消去に係る税効果</p>
<p>　連結決算への影響が考えられる項目として、IFRSと日本基準では未実現利益の消去の際に使用する税率の主体会社が異なる点があげられます。具体的には、日本基準では売り手側の会社の税率を使用するのに対して、IFRSでは買い手側の税率を使用します。これについては、日本基準における繰延法がイレギュラーであると解されますが、仮に売り手側、買い手側のいずれか一方が、回収可能性のない繰越欠損金がある場合などにおいては、思いのほか損益に影響を与えることが想定されます。</p>

<p>(2) 注記</p>
<p>　現在、日本基準では繰延税金資産・負債の内訳と、税率差異分析等の開示が求められており、会社によっては連結ベースでの集計に相当の労力を強いられているのではないでしょうか。</p>
<p>　IFRSでは、例えば繰越欠損金の繰越期限満了日など、やはり開示が求められる事項もさらに多く、また個別・連結とも集計の対象となる仕訳が著しく増加すること、IFRSベースで回収可能性を再検討する可能性があることを考えますと、この注記情報作成の業務は著しく高度、且つ煩雑になることが予想されます。</p>

<p>(3) 繰延税金資産・負債の表示</p>
<p>　日本基準では、関係する資産・負債の区分が流動か固定かに基づいて、繰延税金資産・負債を流動・固定に分類していますが（繰越欠損金については回収時期）、現行のIFRSでは繰延税金資産・負債はすべて非流動資産・負債に分類します。</p>
<p>　ただし、現在検討が進められているIFRSと米国基準とのコンバージェンス・プロジェクトにおいて、日本基準と同様の流動・固定区分表示が要求されることとなる見込みです。</p>
=====
<h2 class="midashi01">&nbsp;4. 対応（今後の動向と会計システム）</h2>
<p>(1) 今後の動向</p>
<p>　「法人所得税（IAS第12号）」は米国基準とのコンバージェンス・プロジェクトの対象テーマとなっており、IASBは原則を維持しつつ、例外の除去（処理の単純化、原則の強化）、構成の変更等の提案を行っています。この提案は米国基準における「法人所得税の会計処理」に整合させる形になっており、個人的に、特に以下の2点に注目しています。</p>

<div class="columnA01">
<ul class="listB01">
<li>繰延税金資産は、評価性引当金とともに全額認識される。（現行は純額処理）</li>
<li>税務当局の調査による税額の修正について、発生可能性の加重平均額を用いて繰延税金資産・負債を測定する。</li>
</ul>
</div>

<p>　特に(b)に関しては、会社にとって税務当局による追徴課税のリスクも懸念され、そもそも開示することに対して極めて消極的にならざるをえない内容であり、（米国基準の経験がない会社にとっては）相当の違和感をお持ちになられるのではないでしょうか。</p>

<p>(2) 会計システム</p>
<p>　個別決算においては、会計上の税金計算と繰延税金の計算を効率的に行うための機能、連結決算においては、精算処理を行う過程でいかに税効果を自動化、且つ可視化して効率的に処理するかが、重要な課題であると考えています。</p>
<p>　併せて、3-(2)で取り上げた「注記」をいかに効率的に集計するかも、実務では重要なテーマであると考えられますが、完全に自動化するためには、仕訳を行う際に繰延税金資産・負債の内訳と税率差異の発生原因を意識しなければならず、実務上の対応は容易ではないと思います。したがいまして、連結精算後に連結仕訳をアウトプットして、まとめて判断を行い（一部自動）、スムーズに集計できるような仕組みが必要であると考えられます。</p>
<p>　これらについては、個別・連結ともすでに一部のシステムで対応が図られておりますが、今後ますますシステム側の対応が求められる分野になると思われます。</p>


<p class="alignR">コンサルタント／公認内部監査人・内部統制評価指導士　　澤村　喜久男</p>

]]>
    </content>
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<entry>
    <title>第11回【IFRS解説】「過年度遡及修正」</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.primal-inc.com/column/2009/11/06-000044.html" />
    <id>tag:www.primal-inc.com,2009:/column//4.44</id>

    <published>2009-11-06T09:00:00Z</published>
    <updated>2010-02-20T12:56:35Z</updated>

    <summary>　第11回目の【IFRS解説】シリーズでは「過年度遡及修正」について、IAS第8...</summary>
    <author>
        <name>近藤 誠</name>
        
    </author>
    
        <category term="IFRS解説" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="会計トピック" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="勉強会" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.primal-inc.com/column/">
        <![CDATA[<p>　第11回目の【IFRS解説】シリーズでは「過年度遡及修正」について、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の内容を中心に解説してまいります。</p>
<p>　我が国の現在の会計制度の下では、例えば会計方針の変更を行った場合には、注記情報として変更の旨・理由・当期の財務諸表に対する影響額を開示することが求められています。また、重大な誤謬の場合には、前期損益修正項目として当期の財務諸表上の損益として処理することが示されていますが、過年度の財務諸表に遡って数値を直接的に修正するというようなことはありません。（訂正報告書を提出するというようなケースはあります。）</p>
<p>　IAS第8号が適用されると、会計方針の変更のケースでは、原則として財務諸表上に表示される最も古い年度の期首剰余金の金額や各比較対象年度の影響を受ける財務諸表項目の金額、関連する注記や指標数値等に至るまで、変更後の会計方針が最初から適用されていた場合と同様の結果になるよう、遡及的に修正する必要があり、実務上の負担が増すことが予想されます。</p>
<p>　また、我が国におけるIFRSの導入に関して、会計システムによる対応（二重帳簿保持etc.）が話題に上ることも多くなってきましたが、この遡及的修正については特に個別・連結会計システム側に適切な対応が求められる論点であると考えております。</p>]]>
        <![CDATA[
<h2 class="midashi01">1. 会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬　</h2>
<h3 class="midashi02">(1)会計方針の変更</h3>
<h4 class="midashi03">会計方針の変更の分類</h4>
<p>IAS第1号「財務諸表の表示」によると、会計方針の変更は次のいずれかの場合に分類されます。</p>
<p>1.基準書または解釈指針により必要とされる場合</p>
<p>2.会計方針を変更することにより、財務諸表が<span class="underline">より目的適合的</span>となる情報を提供することになる場合<br />（いわゆる「正当な理由による会計方針の変更」）</p>

<h4 class="midashi03">会計方針の変更に関する取り扱い</h4>
<p>会計方針の変更要因別の原則的な取り扱いを表にまとめると、以下のようになります。</p>
<table class="tableA03">
<tr>
<th>(1)基準書または解釈指針に<span class="underline">特定の経過措置</span>が規定されていて、それを初めて適用することによる会計方針の変更(早期適用を含む)</th>
<td>経過措置の規定に従う</td></tr>
<tr>
<th>(2)特定の経過措置が規定されていない基準書等を初めて適用することによる会計方針の変更</th>
<td rowspan="2">
変更後の会計方針を遡及適用する</td></tr>
<tr>
<th>(3)(1)(2)以外の正当な理由による会計方針の変更</th>
</tr></table>

<p>(2)・(3)のケースでは、変更後の会計方針を遡及適用、つまり当該変更後の会計方針をあたかも最初から適用していたかのように修正することが求められ、具体的には次のような処理が必要になります。</p>

<ul class="listB01">
<li>開示期間以前の会計方針変更による累積的影響額は、開示対象財務諸表に表示されている最も古い期間の期首の資産・負債・純資産の残高に反映させる。</li>
<li>当期および開示対象の過去の各財務諸表については、過年度の累積的影響額＋各期間の影響額を反映させる。</li>
</ul>

<p>　上記の遡及修正処理は、過去の各期間について、その累積的影響額あるいは当該期間の影響額を測定することが<span class="underline">実務上不可能な場合</span>を除き、必ず行う必要があるとされています。（全ての過年度累積影響額を算定することが実務上不可能な場合、実務上可能な最も古い日付から遡及適用することになります。）</p>

<div class="columnA02">
<h5 class="midashi04"><span class="underline">実務上不可能な場合</span>の例＞</h5>
<ul class="listA01">
<li>過去に情報が収集されておらず、合理的な努力を行っても、遡及適用による影響額を算定出来ない場合</li>
<li>遡及適用にあたり、過去における経営者の意図について仮定することが必要な場合</li>
<li>遡及適用にあたり、会計上の見積りを必要とするときに、会計事象等が発生した時点の状況に関する情報であって、対象となる過去の財務諸表が作成された時点で入手可能であったものと、その後判明したものとを、客観的に区別することが時間の経過により不可能な場合</li>
</ul>
<p><span class="italic">※【出所】「会計上の変更及び過去の誤謬に関する検討状況の整理」平成20年6月20日 企業会計基準委員会</span></p>
</div>

<h4 class="midashi03">未適用の会計基準等に関する注記</h4>
<p>　また、IFRSでは公表されているが未適用（将来適用予定の）の新会計基準等について、原則として当該基準等の適用による影響額を開示する必要があるとされています。</p>
=====

<h3 class="midashi02">(2)会計上の見積りの変更</h3>
<p>　IFRSでは、「会計方針の変更」と「会計上の見積りの変更」を明確に分けて取り扱いを規定しており、<span class="underline">会計上の見積りの変更</span>による影響は、変更により影響を受ける現在および将来の期間において認識することとされています。</p>
<p>　ここで、<span class="underline">会計上の見積りの変更</span>とは、資産及び負債の現在の状況や、将来の期待収益や債務の評価により生じる、資産・負債の評価や減価償却費等の資産の各期の費消額の調整のことをいいます。見積りの基礎となった状況の変化や、当初見積り後に得られた情報等により必要となった会計上の見積りの修正は、過年度に遡って修正する性質のものではないため、当該変更期間及び将来にわたって、その見積り変更による影響額を認識することになります。</p>

<h3 class="midashi02">(3)誤謬の訂正</h3>
<p>　IFRSにおいては、過年度において<span class="underline">重大な誤謬</span>が発生していることが明らかになった場合、発見後に最初に開示する財務諸表（一式）においてこれを訂正（修正再表示）しなければなりません。</p>
<p>誤謬の修正再表示の具体的な処理方法については、会計方針の変更と同様であり、<span class="underline">実務上不可能な場合</span>を除き（可能な限り）過年度に遡って、比較情報を含めて修正再表示する必要があります。</p>

<h3 class="midashi02">(4)日本基準の動向＆まとめ</h3>
<p>　我が国において、このいわゆる遡及的修正については、中期コンバージェンス項目（2011年6月目標）とされており、差異解消に向けた基準化の作業が進んでいるところです。</p>
<p>　具体的には、企業会計基準委員会（ASBJ）より2008年6月に「会計上の変更及び過去の誤謬に関する検討状況の整理」が、2009年4月には企業会計基準公開草案第33号「会計上の変更及び過去の誤謬に関する会計基準（案）」及び企業会計基準適用指針公開草案第32号「会計上の変更及び過去の誤謬に関する会計基準の適用指針（案）」が公表されています。</p>

<h4 class="midashi04">＜適用時期について＞</h4>
<p>　2011年4月1日以後開始する事業年度の期首以後に行われる会計上の変更及び過去の誤謬の訂正から適用、未適用の会計基準等に関する注記については、平成2011年4月1日以後開始する事業年度から適用される予定です。</p>

<h4 class="midashi04">＜まとめ＞</h4>
<table class="tableA03"> 
<tr>
<th rowspan="3">
会計上の変更</th>
<td class="tdA01">会計方針の変更</td>
<td>○（過年度の財務諸表を<span class="underline">遡及修正</span>する）</td></tr>
<tr>
<td class="tdA01">表示方法の変更</td>
<td>○（過年度の財務諸表を<span class="underline">組替え</span>る）</td></tr>
<tr>
<td class="tdA01">会計上の見積りの変更</td>
<td>×（遡及修正しない）</td></tr>
<tr>
<th colspan="2">
過去の誤謬の訂正</th>
<td>○（過年度の財務諸表を<span class="underline">修正再表示</span>する）</td></tr></table>
=====

<h2 class="midashi01">2. その他の論点（過年度遡及修正）</h2>
<p>　IFRSにおいて、会計方針の変更や誤謬の訂正のケース以外に、いわゆる過年度遡及修正が行われるケースを整理すると、下記表のようになります。</p>
<table class="tableA03">

<tr>
<th><p>１（報告）セグメントの区分変更</p></th>
<td><p>IFRS第8号「事業セグメント」によれば、報告セグメントの構成（区分）変更をもたらすような組織変更があった場合、原則として（実務上不可能な場合を除き）過去に遡ってセグメント情報を修正（再表示）しなければならないとされています。</p>
<p>コンバージェンス後の日本基準や米国基準においても、同様の取り扱いとなっています。</p></td></tr>
<tr>
<th><p>２ 非継続事業（廃止事業）の開示</p></th>
<td><p>前回（<a href="http://www.primal-inc.com/column/2009/10/26-000043.html" target="_blank">第10回【IFRS解説】売却目的で保有する非流動資産及び廃止事業（IFRS第5号）</a>）のコラムでも解説しましたとおり、廃止事業（非継続事業）について、廃止が予定されている資産（グループ）の損益は、継続事業から生じる損益と区分し、「廃止事業」として区分表示する必要があるとされています。その際、原則として開示対象の財務諸表（一式）において遡及的に修正することが求められており、過年度の財務諸表上においても継続事業と廃止事業の損益等の数値を区分して表示することとなります。</p></td></tr></table>
<p>※この他（多少論点はずれるかもしれませんが）、国際財務報告基準の初度適用（参照：<a href="http://www.primal-inc.com/column/2009/10/13-000040.html" target="_blank">第9回【IFRS解説】国際財務報告基準の初度適用（IFRS第1号）</a>）の際に、2期分（財政状態計算書についは3期分）の財務諸表をIFRSの基準を<span class="underline">遡及適用</span>して作成する必要があります。</p>
=====

<h2 class="midashi01">3.システム対応</h2>
<p>　過年度遡及修正に関するシステム対応については、過年度の確定決算データと、それぞれの報告期間に対応した累積的な遡及修正影響額と当該期間に対する影響額を反映した財務数値を適切に把握出来るような仕組みが、連結あるいは個別会計システムに求められることになると考えられます。</p>
<p>　また、遡及修正は一度だけとは限らないため、複数の要因による複数の遡及修正データが混在することも想定する必要があります。</p>
<p>　具体的には、下記のような方法により、システム上で遡及修正データを管理することになるでしょう。</p>

<p><em>＜方法１：補助区分による対応＞遡及修正仕訳データについて特殊な補助区分(仕訳区分)を設定</em></p>
<p><img border="0" src="http://www.primal-inc.com/column/images/article/ifrs_20091105/image001.png" /></p>
<p>　遡及修正用について、特定の仕訳（伝票）に補助区分を設定できるような仕組みを持ったシステムの場合、決算が確定した期間に「遡及修正仕訳」というような属性を持った修正仕訳を投入することで、修正後の財務数値を把握する方法があります。複数の遡及修正が発生した場合でも、それぞれについて適切な補助区分の設定および繰越の設定等を行うことで、累積的影響額を含めて把握することが可能となります。</p>

<p><em>＜方法２：期間データの複製＞過去の期間データをコピー⇒コピー先の期間データに対して直接修正仕訳を投入</em></p>
<p><img border="0" src="http://www.primal-inc.com/column/images/article/ifrs_20091105/image002.png" /></p>
<p>　方法１のような対応が取れない場合、確定決算データを期間ごとコピーし、当該コピー先の期間に遡及修正仕訳を投入することで、修正後の財務数値を把握するという方法も考えられます。ただし、この方法は複数回遡及修正が発生した場合、大量の期間データが存在することとなってしまい、煩雑かつデータ容量が大きくなってしまうといったデメリットがあります。</p>

<p>　会計システムによる対応が困難な場合、遡及修正による（累積的）影響額をシステム外のExcel等で管理することとなりますが、内部統制上の観点からも望ましいとはいえません。</p>

<p>　日本基準の改訂、あるいはIFRSの導入に備えて、自社の会計システムがそもそも過年度遡及修正に対応可能かどうか、具体的にどのような方法で対応するかについて、早めに検討を始めることをお勧めいたします。</p>

<p>　弊社の連結会計システム「Conglue（コングル―）」も遡及修正対応のための機能を備えております。詳細につきましては弊社までお問い合わせください（お問い合わせフォーム⇒<a href="https://www.primal-inc.com/contact/">https://www.primal-inc.com/contact/</a>)</p>

<p>　最後に、本文中、意見にわたる部分は私見であることを申し添えます。</p>

<p class="alignR">代表取締役社長／公認会計士　　近藤 誠</p>]]>
    </content>
</entry>



</feed>
