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第21回【IFRS解説】金融商品(IFRS第9号)

投稿者:澤村 喜久男2011年1月11日カテゴリ:IFRS解説 | 会計トピック | 勉強会

 第21回の【IFRS解説】シリーズは、2009年11月に公表された「金融商品」(IFRS第9号:2013年1月1日以降開始する年度の年次財務諸表から適用)です。現在、金融商品に関する基準は、「金融商品:表示」(IAS第32号)、「金融商品:認識と測定」(IAS第39号)、「金融商品:開示」(IFRS第7号)が中心となっており、IFRS第9号については、このうちIAS第39号の改訂プロジェクトのフェーズ1という位置付けになっています。

フェーズ1 分類と測定 (Classification and measurement)
フェーズ2 減損 (Impairment methodology)
フェーズ3 ヘッジ会計 (Hedge accounting)

 なお、フェーズ1につきましては、2010年10月28日に一部基準化を留保して継続審議していた「金融負債」に関する処理が基準化されたことを以て終了、フェーズ2・3のFinalは2011年第2四半期に公表される予定で、これによりIFRS第9号への置き換えが完了となります。
 また、本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。

1. IFRS第9号における新分類

 IFRS第9号では、金融資産の当初認識後の測定に関して、現行の保有目的による4区分を廃止し、「負債性金融資産」と「持分金融資産」の2つに区分して、それぞれの測定基準により会計処理を行うこととしています。

IAS第39号 IFRS第9号
負債性金融資産 HTM(償却原価) 償却原価
L&R(償却原価)
FVTPL(FVTPL) FVTPL
AFS(FVTOCI)
持分金融資産 FVTPL(FVTPL) FVTPL
AFS(FVTOCI) FVTPL
FVTOCI
公正価値が信頼性をもって測定できない場合のみ取得原価で測定 原価=公正価値と見做せる場合のみ取得原価で測定

 

* HTM(Held-to-maturity investments)=満期保有投資
* L&R(Loans and receivables)=貸付金及び債権
* FVTPL(Financial assets at fair value through profit or loss)=損益を通じて公正価値で測定する金融資産
* AFS(Available-for-sale financial assets)=売却可能金融資産
* FVTOCI(Financial assets at fair value through other comprehensive income)=その他包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 なお、2010年10月28日にIFRS第9号に追加された金融負債につきましては、基本的に現行IAS第39号における償却原価測定が移行されており、公正価値オプション(会計上のミスマッチを解消又は著しく軽減(ヘッジ)できる場合に、FVTPLに指定可)の適用を選択している場合に、公正価値変動のうち信用リスクの変動による部分をOCIに認識する点が変更されました。

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