第20回【IFRS解説】リース(2)
第20回の【IFRS解説】シリーズとして、2010年8月17日にIASBとFASBが公表した公開草案「リース」(以下、「ED」といいます。)のポイントを整理したいと思います。ここでは、借手・貸手ともこれまでと異なる新しいモデルが提案されています。経験上、一般事業会社でもサブリース(原リースは借手の新モデル、サブリースは貸手の新モデルを適用)の貸手になるケースが少なくないと思いますので、リース業界以外のみなさまも、貸手の新モデルまでご覧いただければ幸甚です。
なお、このEDに対するコメントは2010年12月15日まで受け付けられており、2011年に最終基準の公表(現行のIAS第17号から置き換え)が予定されています。また、本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。
1. 借手リース
EDでは、従来の「ファイナンス・リース」「オペレーティング・リース」の分類を廃止し、リースの使用権を表す「使用権資産」と、リース料の支払義務に相応する「リース料支払負債」を財政状態計算書で認識することとしており、この提案が採用された場合は、全てのリースが資産計上され、オフバランス処理は認められなくなります。借手は、リース開始日に、
| 使用権資産 | リース料支払負債+借手に発生した当初直接費用(*1) |
|---|---|
| リース料支払負債 | 借手の追加借入利子率又は(容易に算定できる場合は)貸手が課している利子率で割り引いたリース料の現在価値 |
を認識しますが、ここでの「リース料」は、発生の可能性が50%超となる最長のリース期間(≠解約不能期間)において、すべての関連性のある情報を用いて算定することとしており、延長・終了オプション、変動リース料、残価保証(第三者による提供を除く)等を考慮して見積もる必要があるため、実務に与える影響も大きいと考えられます。
また、当初認識後においては、主に以下の手続きが求められます。
| 使用権資産 |
・リース期間又は耐用年数のいずれか短い期間で償却する。(公正価値モデルも認められる) ・リース期間の変更によるリース料支払負債の変動を反映させる。 ・報告日ごとに「資産の減損」(IAS36)により減損の検討を行う。 |
|---|---|
| リース料支払負債 |
・実効金利法による償却原価で測定し、利息費用を認識する。 ・リース料の見積りの再評価を行う。 |
これにより、現行の処理と比較して、リース期間の早期に費用が認識されることが想定されるほか、運用面においても、多くのリース取引を抱える会社様にとりまして、負担増は避けられないものと考えております。
*1 当初直接費用に含まれる取引(借手・貸手)
手数料/弁護士報酬/潜在的借手の財政状態の調査/保証・担保及び他の保全措置の評価と登録/リース条件の交渉/リース文書の作成と処理/取引の終結/その他の増分費用で、リースの交渉及び準備に直接起因するもの
【短期リース】
リース期間(延長オプション等の発生可能性を考慮した最長期間)が12ヵ月以内の「短期リース」に関して、割引前の支払リース料を基礎とする簡便的な措置が取られているものの、基本的に上記と同様のオンバランス処理が求められます。
【セール・アンド・リースバック】
新モデルでは、すべてのリースが財政状態計算書に計上されるため、セール・アンド・リースバックを行っても、結果的にオンバランス処理となります。またEDでは、セール・アンド・リースバックを資産の購入・売却&リースとして処理するための要件、購入・売却とならない取引条件(Appendix B31)が定められており、これまで資産の購入・売却&リースとして処理している取引がファイナンスに該当するケースが想定されます。










































