ウェブコラム

第20回【IFRS解説】リース(2)

投稿者:澤村 喜久男2010年11月15日カテゴリ:IFRS解説 | 会計トピック | 勉強会

 第20回の【IFRS解説】シリーズとして、2010年8月17日にIASBとFASBが公表した公開草案「リース」(以下、「ED」といいます。)のポイントを整理したいと思います。ここでは、借手・貸手ともこれまでと異なる新しいモデルが提案されています。経験上、一般事業会社でもサブリース(原リースは借手の新モデル、サブリースは貸手の新モデルを適用)の貸手になるケースが少なくないと思いますので、リース業界以外のみなさまも、貸手の新モデルまでご覧いただければ幸甚です。

 なお、このEDに対するコメントは2010年12月15日まで受け付けられており、2011年に最終基準の公表(現行のIAS第17号から置き換え)が予定されています。また、本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。

1. 借手リース

 EDでは、従来の「ファイナンス・リース」「オペレーティング・リース」の分類を廃止し、リースの使用権を表す「使用権資産」と、リース料の支払義務に相応する「リース料支払負債」を財政状態計算書で認識することとしており、この提案が採用された場合は、全てのリースが資産計上され、オフバランス処理は認められなくなります。借手は、リース開始日に、

使用権資産 リース料支払負債+借手に発生した当初直接費用(*1)
リース料支払負債 借手の追加借入利子率又は(容易に算定できる場合は)貸手が課している利子率で割り引いたリース料の現在価値

を認識しますが、ここでの「リース料」は、発生の可能性が50%超となる最長のリース期間(≠解約不能期間)において、すべての関連性のある情報を用いて算定することとしており、延長・終了オプション、変動リース料、残価保証(第三者による提供を除く)等を考慮して見積もる必要があるため、実務に与える影響も大きいと考えられます。

 また、当初認識後においては、主に以下の手続きが求められます。

使用権資産 ・リース期間又は耐用年数のいずれか短い期間で償却する。(公正価値モデルも認められる)
・リース期間の変更によるリース料支払負債の変動を反映させる。
・報告日ごとに「資産の減損」(IAS36)により減損の検討を行う。
リース料支払負債 ・実効金利法による償却原価で測定し、利息費用を認識する。
・リース料の見積りの再評価を行う。

 これにより、現行の処理と比較して、リース期間の早期に費用が認識されることが想定されるほか、運用面においても、多くのリース取引を抱える会社様にとりまして、負担増は避けられないものと考えております。


*1 当初直接費用に含まれる取引(借手・貸手)
 手数料/弁護士報酬/潜在的借手の財政状態の調査/保証・担保及び他の保全措置の評価と登録/リース条件の交渉/リース文書の作成と処理/取引の終結/その他の増分費用で、リースの交渉及び準備に直接起因するもの

 

【短期リース】
 リース期間(延長オプション等の発生可能性を考慮した最長期間)が12ヵ月以内の「短期リース」に関して、割引前の支払リース料を基礎とする簡便的な措置が取られているものの、基本的に上記と同様のオンバランス処理が求められます。

 

【セール・アンド・リースバック】
 新モデルでは、すべてのリースが財政状態計算書に計上されるため、セール・アンド・リースバックを行っても、結果的にオンバランス処理となります。またEDでは、セール・アンド・リースバックを資産の購入・売却&リースとして処理するための要件、購入・売却とならない取引条件(Appendix B31)が定められており、これまで資産の購入・売却&リースとして処理している取引がファイナンスに該当するケースが想定されます。

お問い合わせはこちら

過去のウェブコラム

ごらんになりたい月のウェブコラムを下記のリストより選択ください。

過去の記事一覧ページ

お問い合わせ先

お電話・FAXでのお問い合わせ先

tel.03-5573-5730

fax.03-5573-5731

メールでのお問い合わせ先

お問い合わせ入力フォームへ
  • 連結会計ご担当者様
  • 連結会計システム Conglue(コングルー)
  • ConglueのIFRS対応方針
  • 連結会計システム Conglue(コングルー)導入事例
  • XBRL解析エンジン Primal XBRL Parser
  • ウェブコラム IFRS解説シリーズ
  • ウェブコラム XBRL解説シリーズ

プライマルは日本情報処理開発協会(JIPDEC)よりプライバシーマークの付与認定を受けています。

未来が変わる。日本が変える。チャレンジ25キャンペーン

このページのトップへ