第18回【IFRS解説】借入費用(改訂版IAS第23号)
第18回の【IFRS解説】シリーズは、「借入費用」(改訂版IAS第23号)です。この基準は、米国基準とのコンバージェンス・プロジェクトの一環として、従来の任意適用(即時費用処理可)から強制適用に変更する形で、2009年1月1日から適用されています。(2007年3月改訂)
なお、このテーマは「第6回 【IFRS解説】 有形固定資産」の中で簡単にご紹介しましたが、今回は設例を用いてもう少し詳細に取り上げたいと思います。また、特に基準全般を指したい場合を除き、意識して「IFRSs」表記は行っていないこと、ならびに本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。
1. 借入費用の資産化の概要
(1) 借入費用の資産化の定義
改訂版IAS第23号では、「適格資産」の取得・建設・製造に直接的に起因する借入費用(=資産化適格借入費用)を、当該資産の取得原価として資産計上することを強制しています。
「適格資産」については、意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産とされており、前回は「「第6回 【IFRS解説】 有形固定資産」で取り上げましたが、製造・制作・建設に長期を要する棚卸資産・無形資産・投資不動産等も対象に含まれますのでご注意下さい。
特定の適格資産を取得する目的で借入を行っている場合(以下、「紐付借入」という場合はこれを指します。)は、費用全額(余剰資金の運用収益控除後)を資産化するため、理論上はさほど複雑ではありませんが、実際の取引では運転資金として調達した資金の一部を適格資産の取得に充当するケースが想定され、この場合も資産化率(みなし金利)を用いて資産化適格借入費用を計算し、資産計上する必要があります。
(2) 資産化の開始
借入費用の資産化は、以下の条件をすべて満たした時点で開始しなければなりません。
(a) 資産に係る支出が発生している
(b) 借入費用が発生している
(c) 意図した使用又は販売を可能とするために必要な活動に着手している
(3) 資産化の停止・終了
実際の取引では、意図した使用又は販売を可能とするために必要な活動が中断している期間も、借入費用が発生するケースが想定されます。この期間中は、借入費用の資産化を停止しなければなりません。
また、意図した使用又は販売を可能とするために必要な活動が完了したときは、借入費用の資産化を終了します。なお、経常的な管理作業が継続する場合、資産の物理的建設が完了した時点で、実質的に意図した使用又は販売を可能とするために必要な活動は終了したとみなされます。
(4) 開示
財務諸表には、「当期中に資産化した借入費用額」「資産化適格借入費用額の決定にあたって使用した資産化率」を開示しなければなりません。









































