第13回【IFRS解説】企業結合(改訂版IFRS第3号)
第13回目の【IFRS解説】シリーズは、「企業結合(改訂版IFRS第3号)」です。まず、これまでの経緯としまして、「企業結合(IFRS第3号)」、「連結及び個別財務諸表(IAS第27号)」が2008年1月に改訂され、2009年7月以降開始する事業年度から適用されています。これは、国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)によるコンバージェンス・プロジェクトの成果であり、これによってIFRSと米国基準は(一部の差異を除いて)かなり近づいたと言えると思います。
一方、日本では2008年12月に企業会計基準委員会(ASBJ)から、「企業結合に関する会計基準(企業会計基準第21号:2010年4月以降の企業結合から適用、他の基準と同時適用の場合は早期適用可)」、「連結財務諸表に関する会計基準(同第22号)」等の改正が一斉に公表されたのは記憶に新しいところですが、これによりIFRSと日本基準についても多くの差異が解消されることになるものの、まだいくつかの重要な差異が残っており、現在ASBJにおいて解消に向けての検討が行われています。
今回は、IFRSにおける企業結合(改訂版)の処理方法である「取得法」の手続きから、特に重要と考えられる論点を取り上げて整理してまいります。なお、特に基準全般を指したい場合を除き、意識して「IFRSs」表記は行っていないこと、ならびに本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。
1. IFRSにおける企業結合の概要(取得法)
日本では上記の「企業結合に関する会計基準」の改正により、2010年4月以降の企業結合から持分プーリング法を廃止し、(共同支配企業の形成および共通支配下の取引以外の)企業結合はパーチェス法により会計処理することになっています。
IFRSでは、従前から持分プーリング法は認められておらず、さらに改訂版IFRS第3号において、呼称がパーチェス法から取得法に変更されるとともに、連結財務諸表を親会社と少数株主の双方の観点から作成する、経済的単一体説を明確に採用することになりました。
取得法を適用するにあたっては、以下の手順に従って処理を行います。
- 取得企業の識別
- 取得日の決定
- 被取得企業の識別可能資産・負債及び非支配持分(日本基準の少数株主持分)の認識と測定
- のれん又はバーゲン・パーチェスによる利得の認識と測定
このうち今回は、(3)と(4)を次章以降で詳しく見ていきたいと思います。
(1)については、取得法を適用する上で、実際の取引ではどちらが取得企業であるかの判断が困難なケースが考えられますが、このような場合は「連結及び個別財務諸表(改訂版IAS第27号)」における連結の範囲に関する規定のほか、改訂版IFRS第3号において、取得企業決定にあたり考慮すべきこととして、企業規模、結合後企業の経営陣の構成・議決権割合、株式の交換条件等が例示されています。
なお、連結の範囲の詳細につきましては、次回以降に「連結及び個別財務諸表(改訂版IAS第27号)」で取り上げる予定です。










































