第10回【IFRS解説】売却目的で保有する非流動資産及び廃止事業(IFRS第5号)
第10回目の【IFRS解説】シリーズは、「売却目的で保有する非流動資産及び廃止事業(IFRS第5号)」です。この基準は、米国基準とのコンバージェンス・プロジェクトの成果のひとつであり、米国基準の「長期性資産の減損又は処分に関する会計処理(SFAS第144号)」がベースになっています。
日本でも、先ごろ公表された「財務諸表の表示に関する論点の整理」の中で、「短期的に導入を検討する」とされている項目であり、将来的に(少なくとも連結ベースでは)今回取り上げるIFRS第5号の内容に沿った対応が必要になるものと考えております。
なお、特に基準全般を指したい場合を除き、意識して「IFRSs」表記は行っていないこと、ならびに本文中、意見にわたる部分は私見であることを予め申し添えます。
1. 売却目的保有の分類基準
有形固定資産等の資産は通常、使用目的で保有され、減価償却を通して取得原価を配分することで、資産の使用収益と対応させます。この前提では資産の売却可能額は特に意味を持ちませんが、この資産が売却取引により回収される場合は、取得原価から減価償却累計額を控除した帳簿価額はかならずしも適切とはいえないという考え方から、IFRS第5号ではこのような場合におけるルールを定めています。
まず、IFRS第5号において、売却取引により回収されるケースに該当するためには、
- 通常又は慣例的な条件を前提として現況で直ちに売却可能
- 売却可能性が非常に高い
の要件を満たしている必要があり、さらに非常に高いに該当するためには、
- 経営者が売却計画の実行を確約
- 具体的な行動を伴った計画の開始
- 販売努力を行っている、また販売価格が合理的である
- 売却目的に分類した日から1年以内に売却可能
- 売却計画の重要な変更・撤回の可能性が低い
のすべてを満たす必要があるとされています。
なお、決算日後、財務諸表確定日前これらの要件が満たされた場合は、注記により開示が求められる点に注意が必要です。
処分グループ(disposal group)
実際の取引では、複数の資産あるいは複数の資産と直接関連する負債がまとめて売却されるケースが多く、IFRSではこれらを「処分グループ」としています。なお、処分グループについても、上記の売却目的保有の分類基準が適用されます。










































