連結キャッシュ・フロー計算書の作成方法について
連結キャッシュ・フロー計算書(以下、キャッシュ・フロー計算書=CFといいます。)の作成にあたって、
(1)個別CFを合算し必要な連結調整を行って連結CFを作成する「原則法」
(2)連結比較貸借対照表(以下、比較貸借対照表=比較BSといいます。)から連結増減表等により連結CFに組み替える「簡便法」があることはご承知の通りです。
具体的な運用を整理した場合、概ね以下のいずれかに当てはまるのではないかと考えられます。
- 原則法[1] - 連結会社が個別CFを報告、連結システムで合算・連結調整を行って連結CFを作成
- 原則法[2] - 連結会社が個別財務諸表と増減データを報告、連結システムで個別比較BSから個別CFを作成し、合算・連結調整を行って連結CFを作成
- 簡便法[1] - 連結会社が個別財務諸表と増減データを報告、連結システムで連結精算後に、連結比較BSから連結増減表等により連結CFを作成
- 簡便法[2] - 上記簡便法[1]のうち、連結精算後の作業についてExcel等を用いて連結システムの外で作業
このうち、原則法[1]については全連結会社に相当のスキルが要求されるため、現実的には少数派であると考えられます。
連結システムの多くは、原則法[2]と簡便法[1]の両方、あるいはいずれかを標準装備しており、どちらの方法を採用するかは、連結システムの仕様により決定されることが多いのではないでしょうか。(監査において簡便法的アプローチでオーバーオールが行われることが、簡便法採用に影響を与えていることもあるかも知れません。)
但し、連結システム側から見た場合、簡便法[1]で会社毎にCF仕訳を行うのであれば、原則法[2]と全く同じ仕訳が行われますので、両者の間には「見せ方」以外に違いはないものと考えられます。
さて、今回特に取り上げたいのが簡便法[2]で、連結システムに煩わしさを感じ、採用されている会社様が相当数いらっしゃるのではないかと思います。特に、相当なスキルをお持ちの担当者が行う場合、把握しづらい連結システムよりも、自身の管理下で一覧性のある方法で作成したい気持ちも十分理解できます。
しかしながら、この方法には(手組みのExcel連結と同様に)以下のような問題があると考えられます。(J-SOX対応にあたって問題になった事例も聞き及んでおります。)
- 業務が属人化し、担当者の力量によって結果が左右される場合がある。
- 少額取引を割り切って「その他」のフローとし、結果、他の方法を採用した場合と数値が異なる。
- IFRSsで直接法の要請が強まった場合に対応が困難となる。
従いまして、原則法・簡便法にかかわらず、少なくとも連結システムを使用して作成(簡便法の場合は会社毎に仕訳)されることが、内部統制への対応、あるいは来るべきIFRSs導入に向けてもアドバンテージになるものと考えております。その上で、不満に感じられる点をベンダーに要望としてぶつけていただければ幸甚です。
また将来的には、あらゆる個別会計システムにおいて、個別CFが作成できるよう充実が図られ、少ない労力で原則法[1]の連結CFが作成できるようになり、「作らされるCF」ではなく、管理目的としても「使えるCF」になることを切に願う次第です。
コンサルタント/公認内部監査人 澤村 喜久男










































